航空券など外国旅行代金のカード分割払いを禁止

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年12月08日

アルゼンチンで11月26日から、クレジットカードの分割払いサービスを用いて外国旅行代金を支払うことができなくなった。同国中央銀行が前日の25日付で国内金融機関とクレジットカード発行会社に対して通達(通達「A」7407号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))を出し、国外行き航空券や外国旅行関連サービス(宿泊代金やレンタカーを含む)の購入ついて、クレジットカードの分割払いによる決済サービスを提供することを禁止した。同禁止対象には旅行代理店や予約サイトなどを用いた間接的な購入も含まれる。なお、クレジットカードでも一括払いは引き続き認められる。

中銀の狙いは、国民の外国旅行による外貨流出を防いで外貨準備高を維持することにあるとみられる。ガブリエラ・セルッティ政府報道官は「(中銀の制限措置は)一時的なものであり、今後、影響を分析していく」と述べたほか、「外貨は中小企業などの活性化のために使うべき」と中銀の決定を正当化した(11月29日付現地紙「クラリン」)。

中銀が公表している12月1日時点のグロスの外貨準備高は415億3,900万ドルとみられるが、民間調べによると、ネットの外貨準備高はわずか10億ドル前後にとどまるという。2021年9月に外国旅行やクレジットカードによる外貨流出は2019年12月以来の高い水準を記録したことから、「バケーションシーズン(12月~翌年3月)の外貨流出を防ぐのが目的」と複数の現地紙は報じている(11月26日付「クロニスタ」紙、12月5日付「ラ・ナシオン」紙電子版)。

政府は2019年9月に資本規制を導入している。居住者による外貨購入額を1カ月最大200ドルに制限しているだけでなく、外国からのサービス購入や国外でのデビットカード、クレジットカードの利用に対する30%の包括連帯税の課税、所得税と個人資産税の35%への引上げなどだ(アルゼンチンの資本取引規制レポートPDFファイル(0B)を参照)。今回の措置について、航空会社や旅行代理店関連の団体は「一時的な措置とはいえ、旅行・観光業界に壊滅的な影響を与える。経済や雇用の回復を遅らせるだけでなく、国の競争力も低下させる」と不満の声を挙げている。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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