三井物産、コールドチェーン物流事業に参入

(インド)

ニューデリー発

2021年12月15日

三井物産は、インドでコールドチェーン物流事業を手掛けるTCIコールドチェーン・ソリューションズ(TCI CCS)に出資した(金額非公表)。TCI CCSは地場大手物流会社トランスポート・コーポレーション・オブ・インディア(TCI)グループの一事業部門がスピンアウトし、TCIの子会社として、2019年2月に事業を開始した企業。三井物産はTCI CCSと組むことで、生鮮食料品や医薬品、化学品、ファストフードなどの各業界で必要とされる温度管理輸送・保管サービスに本格参入する。

TCI CCSの事業は現在、食品や医薬品メーカーなどを顧客とした大都市間の温度帯を管理したリーファー輸送が中心で、新型コロナウイルスワクチンの国内輸送も担っている。三井物産によると、TCI CCSはTCIグループが有するインド全国約1,400拠点のネットワークを活用して、輸送・保管事業を展開している。TCI CCSは首都ニューデリー近郊のグルガオンや金融都市ムンバイなどに自社所有の冷蔵設備を持ち、倉庫は基本的にTCIからのリースだ。また、自社所有のリーファートラック台数を100台程度に抑え、各都市で地元のトラック業者と委託契約を結ぶことで効率的に輸送手段を確保している。

なお、三井物産がインドでTCIと連携するのは今回が初めてではない。三井物産は1999年に、自動車部品の輸送を手掛けるトランシステム・ロジスティクス・インターナショナル(TLI)をTCIとの合弁で設立している。20年以上にわたる両社間の信頼関係が土台となり、インドでコールドチェーン物流事業に参入したい三井物産と、国内外で関連事業を手掛けてきた三井物産とのシナジーに期待するTCIとの思惑が合致し、今回の合意に至った。

インドでは物流業界の組織化が進んでおらず、1~4台のトラックを所有する零細業者が同市場シェア(台数ベース)の半分以上を占めると推計されている。また、コールドチェーンのインフラは非常に限定的で、環境・森林・気候変動省によると、全国的な潜在需要に対するリーファー輸送の供給割合は17.5%(台数ベース)にすぎない。三井物産としては、納期と温度管理を厳守する物流サービスをインド全国で展開できるTCI CCSの強みを生かして、コールドチェーン事業の拡大を図るとともに、将来的に食品製造など周辺事業にも手を広げたい考えだ。

写真 TCI CCSのリーファートラック(三井物産提供)

TCI CCSのリーファートラック(三井物産提供)

(広木拓)

(インド)

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