VW、EV用蓄電池事業強化のため大型提携と子会社設立を発表

(ドイツ)

ミュンヘン発

2021年12月15日

ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループは12月8日、電気自動車(EV)向けバッテリー事業強化のために3社(ユミコア、24Mテクノロジーズ、バルカン・エナジー・リソーシズ)との戦略的提携を発表した(同社プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ベルギーの非鉄金属・化学大手のユミコアとは、欧州にあるVWの蓄電池工場に正極材料を供給する合弁会社を設立する。2025年の生産開始を予定しており、年間生産能力は20ギガワット時(GWh)から徐々に増やし、2029年までにEV約220万台分に相当する最大160GWhの年間生産能力達成を目標とする。

米国の24Mテクノロジーズとは、新たなバッテリー製造技術の実用化に向けて工場の生産技術の開発に取り組む。同社は、半固体電池技術を開発した米国マサチューセッツ工科大学発のスタートアップ企業だ。VWは同社の有する技術を活用して、原材料の量の削減と製造工程を短縮し、生産コストを削減した車載用蓄電池の開発を進め、2025~2030年の量産化を計画している。

オーストラリアのバルカン・エナジー・リソーシズとは、2026~2031年の5年間における水酸化リチウムの調達に係る長期契約を締結した。バルカン・エナジー・リソーシズは、ドイツ南西部のライン地溝帯で、二酸化炭素を排出せずに水酸化リチウムを製造するプロジェクトを進める。

さらに、VWグループは12月13日、バッテリー事業に特化した法人を新設し、同社が電池生産に係る開発から工場の生産管理までを行い、将来的には原材料のリサイクル事業も担うと発表した(同社プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。VWは2019年6月、ドイツ北部のニーダーザクセン州ザルツギッターに蓄電池工場を設立し、2025年の操業開始を予定している(2021年6月16日記事参照)。今後は、同工場がバッテリー事業のハブ拠点として拡張され、電池の量産開始までに総額約20億ユーロを投資し、2,500人以上が雇用される見通しだ。VWは2030年までに、欧州で6つの蓄電池工場を稼働させる予定だ。うち2工場は、スペインと東欧地域を候補地として現在協議が進められており、2022年上期に決定するという。

(大河原楓)

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