チリ、中南米で初となる5G導入へ
(チリ)
サンティアゴ発
2021年12月22日
セバスティアン・ピニェラ大統領は12月16日、チリ国内で第5世代移動通信システム(5G)の展開を開始すると発表した。中南米で初となる。発表には、グロリア・フット運輸通信相、フアン・カルロス・ジョベト鉱業兼エネルギー相らも同席した。フット運輸通信相は「5Gの入札とネットワークの展開は、この政府の最初に設定した最も野心的な目標の1つで、今日それが具体的な形となった。チリをこの地域のデジタルハブに変えることは私たち政府の戦略の基礎で、これにより、新しいデジタル経済への積極的な参加を可能にする」とコメントした。
政府は、5G事業を落札したエンテル(Entel)、モビスター(Movistar)、ワム(WOM)の3社について、既にサービスを提供するべく準備を進めており、今後数カ月以内に一般の利用者へ5Gネットワークのサービスの提供が始まる予定であることを発表している。また政府は、人口の少なくとも90%の同ネットワーク利用を可能とするよう、落札企業などに求めており、少しでも多くの国民が5Gの恩恵を受けられるよう働き掛けを行った。
5Gの国内展開には、新たに9,000基の基地局が必要で、そのうちの33%が首都圏州に、残りの67%がそれ以外の州に設置される予定となっている。フランシスコ・モレノ運輸通信事務次官によれば、5G導入による新規雇用の創出は約6万8,000人と想定されており、加えてチリ全土への基地局設置により、さらに2,500~3,000人の新規雇用の創出が見込まれている。
(岡戸美澪)
(チリ)
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