オージス総研、インドのITコンサルティング会社に出資

(インド)

ニューデリー発

2021年12月09日

大阪ガスの完全子会社でシステムインテグレーターのオージス総研は11月24日、グループ会社を通じてアグニコンサルティングインディアに出資外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしたことを発表した。アグニはインド南部タミル・ナドゥ(TN)州の州都チェンナイ市に拠点を構えており、日本語と英語のバイリンガルのIT技術者を中心に、主に日系企業向けにITサービス全般を提供するコンサルティング会社だ。今回の出資に伴い、オージス総研グループはアグニの議決権の25%を取得した。

オージス総研は今回の出資を通じて、優秀なIT人材の確保を進め、「SAP」ビジネスの拡大を図っていくとしている。アグニは、日本に興味を持ち、かつIT関連の学業を修めた大学新卒人材を採用した上で、社内で日本語の教育をし、日英バイリンガルのIT技術者育成を目指す。また、オージス総研は日系企業のグローバル展開を支援するため、デジタルトランスフォーメーション(DX)実現に向けたコンサルティングやソフトウエア開発人材、IT商材などのリソースを確保することで、アグニをアジア全体における開発拠点としての活用も進めていく方針だ。

写真 アグニのスタッフが研修プログラムを受講している様子(オージス総研提供)

アグニのスタッフが研修プログラムを受講している様子(オージス総研提供)

同社が重点的に推進している「SAP」とは、ドイツの大手ソフトウエア会社SAPが開発したシステムパッケージ製品(ERP: Enterprise Resource Planning)の1つ。企業全体の資源(人・モノ・金・情報)を一元的に管理する。財務、販売、調達、在庫などのあらゆる部門の管理を包括的に可能とするシステムだが、システムを活用するために企業ごとのカスタイマイズを要することから、SAPを導入・運用保守するエンジニアが必要となる。

オージス総研グループによると、同グループのインドSAPビジネスの主な顧客は現在、自動車や自動車部品メーカーを含む日系企業だ。SAPは、幅広い分野で活用可能であることから、今後は業種に限らずより多くの日系企業のグローバル展開の支援を目指していくとしている。

(高際晃平)

(インド)

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