1~10月の自転車輸入、前年同期比3倍超、リマ市は専用道路をさらに整備へ

(ペルー)

リマ発

2021年12月06日

ペルーのリマ商工会議所の貿易開発研究所(Idexcam)は11月25日のプレスリリースで、2021年1~10月の自転車の輸入台数が前年同期比3.15倍の67万3,545台を記録したと報じた。輸入元は主に中国で全体の98.37%を占める。

自転車の輸入は通常、クリスマス時期に向けて増加する傾向があり、2018年は年間で31万903台、2019年は32万9,060台が輸入された。2020年には53万9,783台で前年比64%増となった。「新型コロナ禍」では密を避ける移動手段ということで、一般市民の間で自転車の需要が拡大しているが、Idexcamのカルロス・ポサダ所長は、特にEコマースとそれに伴う宅配サービスの増加により、自転車での配達が普及したことが輸入急増の第1の要因とみている。

リマ市では鉄道網の整備が限定的で、交通手段といえば、市や民間の路線バスやタクシー、乗用車になるため、慢性的に渋滞が発生している。一方、市の中心部は起伏の少ない地形で、雨が降らない気候帯にあり、自転車の利用に適していることから、数年前から専用道路や駐輪場の建設、コミュニティーサイクルの導入など、自転車の利用促進の取り組みが行われてきた。「新型コロナ禍」でも、日曜日に特定の道路区間の自動車利用を規制して自転車専用にしたり、ドライブスルー形式のワクチン接種会場に自転車専用のレーンを設けたりするなど、積極的に自転車の利用が呼びかけられた。

リマ市は11月29日、ドイツ復興金融公庫(KfW)から2,000万ユーロの経済支援を受け、114キロに及ぶ自転車専用道路と計12の駐輪場を建設することを発表。同プロジェクトにより、サステナブルな移動手段として自転車を利用者の5%増を見込み、さらにそれに伴い二酸化炭素も大幅に削減可能としている。なお、11月時点でのリマ市内の自転車専用道路の総延長は294.35キロ。

(川又千加子)

(ペルー)

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