11月の自動車市場、新エネ車は好調維持するも、車載半導体不足が依然影響

(中国)

上海発

2021年12月14日

中国自動車工業協会(CAAM)が12月10日に発表した11月の自動車販売台数は前年同月比9.1%減の252万2,000台、生産台数は同9.3%減の258万5,000台で、いずれも前年同月比で7カ月連続の減少となった(添付資料図参照)。ただし、前月比では生産・販売ともに3カ月連続で増加しており、例年と同様、年後半に向けて生産・販売とも増加傾向にある。

11月の自動車市場について、CAAMは「乗用車は依然として車載半導体不足と新型コロナウイルス感染の散発的発生の影響を受けているが、前月比では生産・販売ともに増加傾向が続いている。販売・生産に対する下押し圧力は大きいが、新エネルギー車への需要は旺盛で、生産販売台数は過去最高を更新し続けている。また、輸出が好調など明るい要素もある」と説明した。

自動車販売台数の内訳は、乗用車が前年同月比4.7%減の219万2,000台、商用車が30.3%減の33万台だった。新エネルギー車は2.2倍の45万台となり、単月ベースで初めて40万台を超え、11月としての過去最多を更新した。新エネルギー車の1~11月の累計販売台数は前年同期比2.7倍の299万台となり、自動車販売台数全体に占める割合は12.7%に達した。

12月の自動車市場の見通しについては、「車載半導体の供給逼迫問題が依然として存在していることや、年末の各地における電力制限、国内各地での新型コロナウイルス感染の散発的な発生などにより、潜在的なサプライチェーン断絶のリスクは高まっている。総合的に判断すると、2021年通年の自動車の生産・販売台数は前年をわずかに上回る程度」と分析している。

乗用車市場信息聯席会(CPCA)は12月8日、同月の自動車市場について「車載半導体の供給が改善し、昨年(2020年)11月並みの生産水準に戻ると予測していたものの、その水準までは回復していない。供給の不透明さは今もなお続いている」と、車載半導体不足の影響が長引いていることに懸念を示した。一方、新エネルギー車については、「2022年末には乗用車販売台数に占める新エネルギー車の割合が20%を突破する」との見通しを示した。

(高橋大輔)

(中国)

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