新型コロナ感染第3波の到来、衛生緊急事態を2022年末まで再度延長

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年12月28日

アルゼンチン政府は12月24日、新型コロナウイルス感染が急拡大したことを受けて必要緊急大統領令(DNU)867/2021号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、2020年3月12日に発令した衛生緊急事態を2022年12月31日まで再度延長した。

DNU867/2021号では、衛生緊急事態を継続する背景について「国外の疫学的状況が急速に悪化していることから、緊急時に迅速かつ有効な措置が導入できるよう、新たな対応方法が必要」とし、「オミクロン型変異株を脅威と受け止め、感染拡大防止措置を継続する必要がある」としている。

既存の衛生上のプロトコル(手順書)を次のとおり継続する。

  • 強制隔離の対象者と期間:感染の疑いがある場合は陰性が確認されるまで。感染が確認された場合は、症状が発生してから10日間。濃厚接触者の場合は10日間で、陰性が確認されれば7日間。国外からの入国者で2度のワクチン接種を完了していない、またはワクチン接種から14日経過していない場合は、入国前のPCR検査時から10日間。ただし、未成年者、特別許可の保持者、トランジットの場合は対象外。
  • 予防対策措置:屋外で2メートル以上の距離が保てる場合を除き、マスク着用の義務。換気と手洗いを徹底する。経済活動は、衛生当局が認可した衛生上のプロトコルを順守。陽性者や感染の疑いのある者、感染者の濃厚接触者の移動は禁じる。
  • 衛生および疫学的にリスクの高い活動:修学旅行などの団体旅行。屋内のディスコ、パーティー会場など。屋内外を問わず1,000人以上のイベント。

12月24日時点の保健省報告によると、全国の1日当たりの新規感染者数は1万6,279人で、7月下旬以来の高い感染者数となっており、第3波が到来したとみられる。カルラ・ビソッティ保健相は「(年末とバケーションシーズンによる)人の移動の増加と新たな変異株によって、今後の感染数は急増する。ただし、2020年中の集中治療室(ICU)で治療を受けていた患者数は約8,000人だったのに比べ、現状では800から900人にとどまっている。状況を軽視するわけではないが、ワクチン接種が重要なことを伝えたい」と述べた。国内では、中部コルドバ州で450人以上のオミクロン株感染者が確認されたが、現時点では、他都市や州で最も流行している変異株は明らかになっていない。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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