小麦とトウモロコシの輸出数量上限を設定

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年12月23日

アルゼンチン農牧水産省は12月17日、小麦とトウモロコシの輸出枠に関する新たな制度を発表した。国際市場に向けられる穀物の輸出数量について、小麦は1,250万トン、トウモロコシは4,160万トンとする。数量は収穫年度(小麦:9月~翌年8月、トウモロコシ:3月~翌年2月)ごとの上限とみられる。今回の措置は、国内市場への穀物供給を損なわず、国民が消費する穀物を保護することと、穀物の国内供給の予測可能性と信頼性を確保するのが目的。

同日公布した農牧水産省決議第276/2021号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、農牧水産省農業市場庁が法律第21,453号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで定める小麦やトウモロコシなどの農産物について、国内需要を満たすために必要な均衡量を公表すると定めている。また、穀物・油糧種子などの輸出取引については、輸出者があらかじめ登録する外国販売宣誓申告書(DJVE)の登録数量が均衡量を超えてはならない。有機小麦や有機トウモロコシ、ポップコーン用トウモロコシ(爆裂種)は今回の対象外だ。

国内の主要農業関連団体は今回の措置に対して抗議の声を上げている。アルゼンチン農牧連盟(CRA)は「過去にも同じような措置が導入され、結果的に国内の穀物生産が減少した」と批判した。小麦の業界団体アルヘントリゴは「政府は高インフレを抑制できないために、このような介入措置を打ち出している。パンの国内価格も年末まで凍結している。根本的な問題の解決策を模索していない」と強く抗議した。トウモロコシとグレーンソルガムの業界団体のマイサールは「国内市場でトウモロコシが不足したことは一度もない」と、同様に抗議した。

ロサリオ穀物取引所(BCR)の12月8日付報告によると、小麦の2021/2022年度の生産量は2,210万トンで、前年度比30%増。過去最高となることが見込まれている。トウモロコシの2020/2021年度の生産量も好調で、5,200万トンが見込まれている。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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