2021年の経済成長率を5~5.5%に上方修正

(フィリピン)

マニラ発

2021年12月23日

フィリピン開発予算調整委員会(DBCC)は12月14日、2021年の経済成長率の予測値を5%~5.5%へ上昇修正することを発表した(8月時点の予測値は4~5%)。DBCCはその理由として、新型コロナウイルスのデルタ型変異株の感染拡大を抑制するために厳格な移動・経済制限措置を導入したにもかかわらず、同年第3四半期(7~9月)の成長率が7.1%と高かかったことと、制限措置の緩和によって第4四半期(10~12月)は経済活動のさらなる活性化が期待されることを挙げた。

なお、2022年の経済成長率の予測値は7~9%、2023年と2024年は6~7%とした。GDPは2022年には「新型コロナ禍」前の水準に回復する見込み。

DBCCは併せて、各種のマクロ経済指標の予測値も発表した。概要は以下のとおり。

  1. 物価上昇率(年率):2021年は4.3~4.5%、2022年から2024年は2~4%。
  2. ドバイ原油価格:2021年は1バレル68~70ドル、2022年から2024年は同60~80ドル。
  3. 為替レート:2021年は1ドル49~50ペソ(約112.7~115円、1ペソ=約2.3円)、2022年から2024年は1ドル48~53ペソ。
  4. 財輸出の増加率(年率、BPM6準拠、注):2021年は16%、2022年から2024年にかけて6%。
  5. 財輸入の増加率(年率、BPM6準拠):2021年は30%、2022年は10%、2023年と2024年は8%。

(注)2008年にIMFが公表した国際収支マニュアル第6版に準拠する。

(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)

(フィリピン)

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