ベンガルール・テック・サミット開催、日本企業が連携・協業を呼び掛け

(インド)

ベンガルール発

2021年12月07日

インド南部、カルナータカ州の州都ベンガルールにおいて、同州政府が主催する国際的スタートアップイベント、「ベンガルール・テック・サミット」が11月17日から19日までバーチャル形式で開催された。ベンガルールは、インド国内最大のスタートアップ集積地で、インド全体の4分の1を占める4,000以上のスタートアップが拠点を構えている。また、多数の多国籍企業が積極的に投資を行い、IT分野を中心とした研究開発を行っていることでも知られ、イノベーションが生まれやすいエコシステムが発達している。

2021年で24回目を迎えたこのイベントは、48カ国がパートナーカントリーとして参加し、3日間の会期で延べ5万人弱がバーチャル会場を訪れた。カンファレンスセッションでは、人工知能(AI)やブロックチェーン、サイバーセキュリティといった情報科学技術や、製薬、アグリテックといったバイオテクノロジーなど多岐にわたるテーマで、各パートナーカントリーとスタートアップ企業がピッチを行った。

インド企業との協業・連携を見据え、ジェトロは11月17日に同イベント内でジャパンセッションを開催し、日本企業の取り組みや関心をアピールした。

写真 ジャパンセッションの様子(ジェトロ撮影)

ジャパンセッションの様子(ジェトロ撮影)

村田製作所は、ヘルスケア向けIoT(モノのインターネット)、インフラ、建機など産業向けのセンサーを用いた新しいビジネスモデル創出を紹介した。横河電機は、産業自動化やバイオテクノロジー領域における自社の強みを紹介し、持続可能な社会の実現に向けた協業を呼び掛けた。また、ジェトロは日印企業のマッチング支援などを行う日印スタートアップハブ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、海外スタートアップ企業などと日本企業の連携・協業プラットフォームであるJ-Bridgeといった支援メニューを紹介した。

日本からインドのスタートアップへの投資は、この5年間で急拡大している。野村総合研究所(NRI)とインド・ソフトウェア・サービス協会(NASSCOM)がまとめた報告書によると、AI、IoT、ビッグデータ、ブロックチェーンなどの先端技術を扱うインドスタートアップへの日本企業による累計投資額は2021年5月に92億ドルと、2016年比で7倍まで増加している。背景には、インド企業の技術力への高い評価がある。日本のハードとインドのソフトを組み合わせ、互いの得意分野を生かすことによる革新的なビジネスモデルの創出が期待される。

(倉谷咲輝)

(インド)

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