中銀、政策金利の据え置き決定

(タイ)

バンコク発

2021年12月24日

タイ中央銀行(BOT)は12月22日、金融政策委員会を開催し、政策金利を現状の0.50%に据え置くことを全会一致で決定PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。政策金利の据え置きは13会合連続となった。

BOTの発表によると、世界的なエネルギー価格の上昇から物価指数は一時的に上昇したものの、タイ経済は引き続き回復基調にある。他方、新型コロナウイルスのオミクロン型変異株の感染拡大が今後の経済回復のリスク要因になり得る。そのため、BOTは現在の低金利政策を継続するとし、政策金利の据え置きを決定した。

さらに、BOTは今後の経済見通しも公表。2021年のGDP成長率予測について9月時点の0.7%から0.9%に、2022年のGDP成長率予測を同3.9%から3.4%に、2023年のGDP成長率予測を4.7%とした。また、個人消費支出の改善や、外国人観光客数の増加などを経済成長の支援材料とした。他方、オミクロン株の感染が拡大した場合、政府が厳格な規制措置を講じることなどが予想され、タイ経済の下振れリスクになり得るとした。

金融政策委員会は、新型コロナウイルスの感染拡大防止と経済活動の支援を両立させることが重要であり、目標を定めた財政措置が有効だとした上で、必要に応じたさらなる緩和的措置の可能性についても言及した。

(岡本泰)

(タイ)

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