東洋エンジニアリングインディア、アッサム州で石油精製プラント受注

(インド、日本)

ニューデリー発

2021年12月24日

東洋エンジニアリングは12月9日、インド現地法人である東洋エンジニアリングインディア(東洋インディア)がインド北東部のアッサム州で石油精製プラントを受注したと発表した(金額は非公表)。東洋インディアは、インド石油・天然ガス省傘下の国営企業ヌマリガル石油精製公社から軽油水素化精製装置(年間355万トン)のEPC(設計・調達・建設)業務を一括で請け負い、2024年上半期の完成を目指す。東洋インディアは2021年に入り、西部マハーラーシュトラ州のアンモニア製造プラントとグジャラート州の石油精製プラントも新規受注しており、今回が2021年で3件目のEPC案件受注となった。

今回の案件は、ヌマリガル石油精製公社がアッサム州内の石油精製能力を現在の年間300万トンから900万トンに拡張させる計画の一環だ。同公社はこの拡張計画に2,800億ルピー(約4,200億円、1ルピー=約1.5円)の予算を計上しており、インド北東部で最大規模の投資計画となっている。インド北東部は国内の他地域に比べて経済発展が遅れているが、これを解消するために石油・天然ガス省が2016年2月に発表した「北東地域のための炭化水素ビジョン2030」の下で、エネルギー分野のインフラ計画が進められている。

東洋エンジニアリングは1963年に同社初の海外案件として、ウッタル・プラデシュ州ゴラクプールでインド向け円借款案件として肥料工場の建設を手掛けて以降、インドで継続的に事業展開してきた。東洋インディアは2021年、同都市で最新鋭の肥料工場を立ち上げており、12月7日にナレンドラ・モディ首相とヨギ・アディティヤナート州首相が完工式典に参加した。東洋インディアは約2,000人態勢で、東洋エンジニアリングが世界各地で実施する案件の設計拠点としての機能に加え、近年はインド国内の国営企業や地場の民間企業が実施する大型EPC案件にも積極的に参画している。2020年度(2020年4月~2021年3月)の売上高は約200億ルピーに達した。

東洋インディアは日系企業による進出案件もインドで手掛けている。直近では、オリエンタル酵母工業のインド関連会社によるマハーラーシュトラ州の工場の建設で、パン用の生イースト生産設備を清水建設のインド法人とともに実施し、2020年に完成させた。同社としては、インド各地での豊富な事業実績を生かし、今後もこのような日系企業の案件を順次増やしていきたいとしている。

写真 ヌマリガル石油精製公社の石油精製プラント(東洋エンジニアリングインディア提供)

ヌマリガル石油精製公社の石油精製プラント(東洋エンジニアリングインディア提供)

(広木拓)

(インド、日本)

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