議会が政府提案の立法権授権を承認も、鉱業含む多くの増税案は削除

(ペルー)

リマ発

2021年12月20日

ペルー議会は、12月17日の本会議で、10月27日に経済財政省(MEF)より提出され、議会憲法委員会において修正された現政権への立法権授権案について、賛成96票、反対18票、棄権1票、無回答2票の賛成多数で承認した。反対票を投じたのは、ペルー・リブレ(ペルー自由:PL)党(14票)とフントス・ポル・エル・ペルー(ペルーとともに:JPP)党(4票)の左派グループで、憲法委員会による修正を不服として反対を表明したとみられる。

立法権の授権は、政府に対して一定期間、法律改正の権限を付与する措置で、ペドロ・カスティージョ大統領は、「税務・財政」「金融」「経済再活性化」の3つのテーマにおける各種法律改正案に関する120日間の政府への授権を求めていた。これに対して、議会の憲法委員会と経済財政委員会(注)が審議を行った結果、授権期間を90日間に短縮するほか、以下の項目などを削除した。

  1. 年収30万ソル(約840万円、1ソル=約28円)以上の就労者や不動産賃貸収入に対する累進所得税課税の導入
  2. 鉱業産業に対するロイヤルティー税や鉱業特別税などの見直し
  3. ネット通販輸入品や保険、ストリーミングサービスなどへの一般売上税(IGV)課税
  4. 国民公庫(Banco de la Nación)による個人や小規模零細企業への融資
  5. 特別所得制度(RER)や小規模零細企業税制(RMT)の廃止案(事実上の小規模零細企業への増税)

MEFは、当初提案ではこの先5年間で約120億ソルの税収を見込み、それによって保健や教育分野における社会格差是正や水道インフラ整備、過疎地への交通網整備、農業分野への支援を進めるとしていた。一方、ペルー経団連(CONFIEP)のオスカル・カイポ会長は、12月15日のRPP通信の取材に対して「パンデミックから完全に脱していない現時点での増税は妥当でない」とコメントしていた。

(注)経済財政委員会の審議は最終的に参加委員数が満たず、最終的に各党派代表者同士の協議の結果、憲法委員会案のみで本会議審議を行うことになった。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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