中小企業の取引に関する与信期間のガイドラインが近く発効

(タイ)

バンコク発

2021年12月09日

タイ取引競争委員会が管轄する、中小企業との取引に関する与信期間のガイドラインが12月16日に発行する。このガイドラインは、中小企業の公正かつ持続可能な取引の実現と、資金流動性の向上を目的に策定された。ガイドラインは既に2021年6月16日の官報に掲載されていたが、掲載翌日から180日後の発効予定となっていた。

主なポイントは以下のとおり。

対象:(1)従業員200人以下または年間の収入が5億バーツ以下(約17億円、1バーツ=約3.4円)の製造業。(2)従業員100人以下または年間収入が3億バーツ以下のサービス業、卸売業、小売業。

与信期間:(1)農産品や製造工程が複雑でない農産物1次加工の製造業者、商業、サービス業の事業活動期間は、与信期間がガイドラインの定めよりも短い場合を除き、原則30日以内。(2)(1)以外の商業、製造業、サービス業の事業活動期間は、与信期間がガイドラインの定めより短い場合を除き、現行どおり原則45日以内。なお、ビジネス、マーケティング、経済学的な観点などから正当な理由がある場合は、上記と異なる与信期間を設定することができる。また、与信期間は、商品またはサービスの提供が完了し、全ての書類の提出が完了した時点からカウントする。

不公正な取引と見なされる行為:(1)中小企業に対し、正当な理由なく、両者で設定した与信期間内の支払いを遅延すること。(2)正当な理由なく、または60日以上の事前通知がなく、与信期間またはその他の契約条件の変更を行うこと。(3)契約の相手方などに不必要な負担を生じさせるような与信期間に関する条件を課し、不公正な強制力、またはその他を行使すること。

タイ工業連盟(FTI)はこのガイドラインに沿った取引を既に実施しており、大手企業を中心に与信期間の順守を呼びかけている。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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