米グーグル、欧州最大のクラウド技術開発センターをワルシャワに開設

(ポーランド)

ワルシャワ発

2021年11月01日

米国グーグルは10月25日、ワルシャワに欧州最大のクラウド技術開発センターを開設すると発表した。同センターでは、世界中から集められたクラウド・コンピューティング技術(注)の専門家チームが、最先端のクラウド・コンピューティング・ソリューション、製品およびサービスの開発などに取り組む。

同社は2021年4月14日に、20億ドル相当の投資といわれる中・東欧地域で初の「グーグル・クラウド・リージョン」をワルシャワに開設したばかり。今回のクラウド技術開発センターは、これに続く発表となり、グーグルは、ワルシャワを欧州でのクラウド事業の中心地にしたい考えだ。現在、ワルシャワでは500人以上のエンジニアを含む800人以上のスタッフを雇用しており、従業員数は過去3年間で3倍に増えている。

2020年5月には、米国マイクロソフトが、ポーランドでイノベーションとデジタルトランスフォーメーションを加速するための10億ドルの包括的な投資計画を発表している。また、2021年1月には、米国インテルも、グダンスクにある欧州最大の研究開発センターの拡張を発表した。

ポーランドは、2019年に発表されたハーバード・ビジネス・レビューの「テクノロジー・データサイエンス・ビジネススキル」の国別ランキングにおいて、テクノロジー部門で5位、データサイエンス部門で10位にランクインしている。主要な都市にはIT教育を提供する大学が複数あり、ポーランドでは毎年約2万人の大学入学者がITに関連する分野を専攻するといわれている。豊富なIT人材を背景に、世界的なIT企業によるポーランドへの投資が相次いでいる。

(注)クラウド・コンピューティングとは、インターネットなどの通信ネットワークを経由して、コンピューティング・サービス(サーバー、ストレージ、データベース、ネットワークなど)を遠隔から利用すること。

(今西遼香)

(ポーランド)

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