東南アジア初の2022年G20サミット、世界経済の回復をテーマに

(インドネシア)

アジア大洋州課

2021年11月09日

インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は10月31日、イタリア・ローマで開催されたG20サミット(2021年11月4日記事参照)において、イタリアのマリオ・ドラギ首相から、2022年のG20議長国を引き継いだ。インドネシアは東南アジアで唯一のG20参加国で、議長国を務めるのは初めて。ジョコ大統領は2022年のテーマを「Recover Together、 Recover Stroger」(共に回復する、より強く回復する)とし、世界経済の回復に向けた取り組みを促したいと述べた。また議長国として、包摂的で(インクルーシブ)、人間中心の、環境に優しい、持続可能な成長にコミットするとした。会議地については、バリ島で実施することを正式に表明した。開催日程は2022年10月30~31日の予定。

財務分野では先進国の出口政策への対応を論点に

2022年度のG20の議論点について、インドネシア銀行は特設ウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、財務分野における6つの優先アジェンダを公開している。同アジェンダの主な内容は、先進国による出口政策の波及効果への対応、感染爆発が長い期間にわたり後遺症として経済に影響を及ぼし続ける「scarring effects」への対応、デジタル時代の越境決済システム、持続可能なファイナンス、女性・若者・中小零細企業などの金融包摂、国際課税ルールだ。

財務以外の分野での議論点に関して、ジョコ大統領は2021年10月30日、オーストラリアのスコット・モリソン首相と面談し、2022年のG20でデジタル経済分野についての議論の場を設ける方向で一致した(10月31日、インドネシア内閣官房)。また、ルトノ・マルスディ外相は2021年9月2日、国会の第1委員会(防衛・外交・情報通信など)において、議論内容は検討中とした上で、エネルギー、観光、デジタル経済、教育、労働、農業、貿易、投資、工業、保健、汚職防止などを挙げた(CNNインドネシア9月7日)。

(山城武伸)

(インドネシア)

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