四川料理に日本酒を、ジェトロが成都でペアリングイベント開催

(中国、日本)

成都発

2021年11月04日

ジェトロは10月22日、中国四川省で日本酒のさらなる販路拡大に向けて、「日本酒と四川料理の出合い(中国語:清酒遇上川菜)」を開催した。中国4大料理の1つとされる四川料理に合った日本酒の飲み方を紹介するペアリングイベントだ。

ジェトロはこれまでも日本酒をPRするイベントを多数開催してきたが、主なターゲットとしてきたバイヤーは日本食を取り扱う小売店や飲食店だった。今回は、成都市で日本酒の流通量をさらに拡大すべく、約30人の四川料理店経営者を招き、中国国内で日本酒を扱ったりPRしたりする4社・自治体事務所がそれぞれ扱う日本酒銘柄のPRを行った。

会場では、代表的な四川料理7品と日本酒約30銘柄が並び、個々の料理と日本酒との相性を確認しながら商談を行った。来場した四川料理店経営者には、日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)が2020年度に実施した「日本酒・焼酎と中華料理ペアリング類型実証」を通じてまとめた、四川料理と相性のよい日本酒の類型表(注)を配付。来場した四川料理店関係者は、どの銘柄を調達すべきか熱心に研究しながら商談を行った。

来場者からは「日本酒は四川料理の辛さに負けてしまうと思っていたが、一部の料理とは相性がよく、おいしいと感じた」「他の四川料理店と差別化するべく、日本酒を調達してみたい」など、日本酒と四川料理のペアリングに挑戦しようとするポジティブな声が多く聞かれた。

ジェトロが来場者に実施したアンケートによると、「四川料理に一番相性のよい日本酒の銘柄は」との問いに対して、「微炭酸」の銘柄を挙げる回答が最も多く、四川料理の「麻辣」の味に調和するような「爽快感」を感じる風味が好まれることを示唆していた。また「日本酒を調達する上での課題は」との問いには、「日本酒の知識不足」という回答が多かった。「四川料理は辛めの味付けから、甘めの味付けまで幅広い。それぞれの四川料理に最も適した日本酒を提案できるように、われわれも日本酒について勉強しなければならない」と指摘する来場者もいた。

出展企業関係者は「ワインと中華料理の組み合わせが受け入れられたのも、長い時間をかけて中国人がワインについて勉強をしたからだ。成都市民に日本酒のおいしさをPRし続けることで、いつか四川料理に最も合う酒として日本酒が提供されることを期待したい」と、今後の展開に期待を示した。

ジェトロは今後も、成都市内で四川料理と日本酒のペアリングイベントを継続的に実施していく。

写真 麻婆豆腐と相性のよい日本酒をPRする出展者(ジェトロ撮影)

麻婆豆腐と相性のよい日本酒をPRする出展者(ジェトロ撮影)

(中国、日本)

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