米石油サービス大手ベーカー・ヒューズ、シェルとネットゼロ達成に向け提携

(米国、オランダ)

ヒューストン発

2021年11月12日

米国石油サービス大手ベーカー・ヒューズ(本社:テキサス州ヒューストン)とオランダ石油大手シェル・グローバル・ソリューションズ(本社:オランダ・ハーグ、以下シェル)は11月10日、ネットゼロに向けた世界規模のエネルギー転換の加速およびエネルギー・産業部門の脱炭素化の促進を目的とする戦略的提携のための覚書を結んだことを発表した。

今回の覚書は、両社のこれまでの関係に基づき、以下の3点を主な優先事項としている。

  1. シェルは、特定のベーカー・ヒューズの米国施設に電力と再エネクレジットを提供
  2. 両社は、2050年までのネットゼロに向けて、ベーカー・ヒューズがシェルのLNG(液化天然ガス)船に低炭素技術ソリューションを提供するなど、広範な連携に合意
  3. 両社は、エネルギー・産業部門の脱炭素化に向け共同で投資・参画するためのさらなる機会を模索

ベーカー・ヒューズのロレンツォ・シモネッリ会長兼最高経営責任者(CEO)は「シェルとの合意により、当社および顧客のネットゼロ目標を達成するための手法を含めた連携事例を示すことができる」「パリ目標を達成するためのエネルギー転換の緊急性には、さまざまな方法で温室効果ガス排出量を削減するための実行可能なステップを加速するための協力が必要」と述べている。

シェルのプロジェクト・技術部門のハリー・ブレケルマンズ部長は「両社は脱炭素化という明確な目標があり、技術革新を通じて既に進展している。この連携により、達成できる限界を押し広げ、ネットゼロ目標により近づくことができる」と述べている。

米国石油大手による脱炭素化に向けた戦略的提携のための覚書締結の事例として、シェブロンU.S.A.(本社:カリフォルニア州)は4月21日に、トヨタ・モーター・ノース・アメリカ(本社:テキサス州プレイノ)と水素関連ビジネスの促進を目的とする戦略的提携のための覚書を結んだことを発表し(2021年4月27日記事参照)、7月15日に米国エンジンメーカーのカミンズ(本社:インディアナ州)と水素関連ビジネスの促進を目的とする戦略的提携のための覚書を締結したことを発表している(2021年7月19日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国、オランダ)

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