遼寧省の新エネルギーバス関連プロジェクト、AIIBが融資承認

(中国)

大連発

2021年11月25日

中国の遼寧省政府は11月17日、同省初のアジアインフラ投資銀行(AIIB)融資プロジェクトである「遼寧省新エネルギースマートバス・モデルプロジェクト」の融資申請が承認されたと発表した。同プロジェクトの投資総額は14億1,600万元(約254億8,800万円、1元=約18円)で、AIIBの融資承認額は1億5,000万ドル、融資期限は25年、利息は0.3%前後とされた。

遼寧省政府の発表によると、AIIBの融資資金は主に遼寧省内の5都市(錦州、営口、阜新、盤錦、葫蘆島)の純電気バス(BEV)の購入、充電関連施設の建設、駅の改造などを含むスマートバスのサービス体系の構築に充当される予定だ。同省政府は、AIIBの融資によってプロジェクト推進面の資金不足の問題改善を期待しているほか、プロジェクト推進を、二酸化炭素排出量削減など省エネ目標の達成に向けた追い風としたい考えだ。

同プロジェクトとの関連では、遼寧省政府は2014年2月、「遼寧省の都市公共交通の優先発展に関する実施意見」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布。2020年までの遼寧省各市の公共交通機関の全体的な管理・運営を統括する目標を設定し、遼寧省交通政府機関の管理に対する評価と資金支援の強化を策定し、省エネなどグリーン化の方向性も明示している。また、2017年11月に制定した「遼寧省第13次5カ年総合交通運送発展計画」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、新エネルギーの公共交通機関の発展強化や関連投資誘致強化などを打ち出した。今回AIIBから融資承認を得たプロジェクトは、前述の遼寧省政府の政策の延長上のプロジェクトとみることができる。

遼寧省交通運送庁によると、同省では新エネルギーバスの積極導入を進めており、2020年末時点で、省内で運行されているバスの85%以上が新エネルギー車となっている。今後、伝統的な内燃機関バスは全て新エネルギーバスに代替される見通しだ。

(李穎)

(中国)

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