ミュンヘンで電子部品製造関連見本市、リアル会場で開催

(ドイツ)

ミュンヘン発

2021年11月25日

国際電子部品製造機器の専門見本市「プロダクトロニカ(productronica外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」が11月16日から19日まで、ドイツ南部バイエルン州のミュンヘンで開催された。1975年から2年ごとにミュンヘンで開催されている伝統的な見本市で、半導体や材料、プリント基板などの電子機器を製造する機械・装置の出展が中心。半導体関連見本市の「セミコンヨーロッパ(SEMICON Europa外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」も併催された。

主催したメッセミュンヘンの11月19日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、今回の出展者は36カ国から894社だった。前回2019年開催時は、45カ国から1,541社だったため、今回の出展者数は4割以上減少した。また、今回の訪問者は約70カ国から約2万人で、前回(4万3,697人)と比べて、およそ半減した。国外からの訪問は約6割(前回55.1%)で、イタリア、フランス、オーストリア、スイス、ポーランドなどが中心だった。国別パビリオンとしては、オランダ、韓国などの出展があった。

出展者数、訪問者数ともに大きく減少したものの、リアル参加型の見本市が実施できたこと自体を評価する声が多い。メッセミュンヘンのラインハルト・プファイファー副社長は「見本市がリアル参加型で実施できたことにとても満足している」とした。愛知県に本社があるFUJIの欧州子会社FUJI EUROPE CORPORATIONのクラウス・グロース社長は「前回に比べ、訪問者は約3~4割減ったものの、われわれの予想を相当上回った」とし、「顧客に直接会えたことが大変喜ばしい」とコメントしている。

メッセミュンヘンによると、日本企業の出展は約30社で、前回(約50社)から減少した。電子部品をプリント基板に実装するマウンターなど、機械装置と電子が融合するメカトロニクス、ソフトウエアが結び付いた領域では、日本企業の技術力はまだまだ高いといった声が聞かれた。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、今回の「プロダクトロニカ」会場では、出展者にはワクチン接種証明書、回復証明書、陰性証明書(PCRテスト)のいずれかの提示を求め、訪問者にはワクチン接種証明書または回復証明書のいずれかの提示を求めた。また、会場内ではマスク着用を求めるなど、厳格な衛生措置が取られた。

次回の「プロダクトロニカ」は2023年11月14日~17日にミュンヘンで開催される。

写真 見本市会場内の様子(ジェトロ撮影)

見本市会場内の様子(ジェトロ撮影)

(高塚一)

(ドイツ)

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