パソナ、海外IT人材のリモート業務委託サービス開始

(インド、ベトナム、日本)

ニューデリー発

2021年11月10日

パソナは11月、海外のIT人材を日本企業に業務委託で紹介するサービスを開始した。紹介の対象は主にインドやベトナムに在住するエンジニアで、日本企業からの業務委託はリモートで行われることが前提だ。

世界13カ国・地域に海外拠点を有するパソナは、従来から日本企業への海外人材の紹介サービスを実施してきた。しかし、世界的な新型コロナウイルス感染拡大を受けて国境を越えた移動が自由にできなくなり、日本企業による海外人材の採用が突如落ち込んだことを受け、同社は「新型コロナ禍」に対応した新規サービスの立ち上げを模索していた。今回対象となったインドやベトナムなどは、同社の海外拠点の中でも、新型コロナウイルス感染拡大後にいち早く、国内でのリモート形式の人材紹介ニーズに対応してきた国だ。今回、対象を各拠点の国外に広げるに当たり、現地法律上の労務管理問題を未然に防ぐため、リモート勤務を前提にした採用支援だけではなく、同社の海外拠点が当該人材を雇用した上での業務委託などを主な形態とした。

写真 パソナインディア ニューデリー本社(パソナグループ提供)

パソナインディア ニューデリー本社(パソナグループ提供)

同社によると、中小企業・大企業の規模を問わず、製造業やシステム分野の業務委託を念頭に置いた各種照会が既に寄せられているという。ただ、海外のIT人材に一定の日本語能力を求める日本企業も多い。実際にはIT技術と日本語能力を併せ持つ海外人材は非常に限定的なため、このサービスを利用する企業が本当に必要とする人材の要件確認を含めた、コンサルテーションも欠かせないのが実態だ。

日本では、IT人材の不足が喫緊の課題となっている。経済産業省が2019年4月に発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした試算では、IT人材の需給ギャップは2018年時点の22万人から2030年には45万人(注)にまで拡大する見通しだ。

(注)生産性上昇率を0.7%、IT需要の伸びが年平均2.7%とした場合。

(広木拓)

(インド、ベトナム、日本)

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