産業通商資源部、GCCとFTA締結交渉再開推進で合意

(韓国、湾岸協力会議(GCC))

ソウル発

2021年11月11日

韓国産業通商資源部は11月3日、ヨ・ハング通商交渉本部長がサウジアラビアを訪問し、ナーイフ・アル・ハジュラフ湾岸協力会議(GCC、注1)事務局長、サウジアラビアのマジビッド・ビン・アブドゥッラー・アール・カサビ商業相との間で、韓国GCC自由貿易協定(FTA)締結交渉再開推進で合意したと発表した(注2)。韓国側では今後、FTA交渉再開に必要な国内手続きを進める。

韓国GCC・FTA締結交渉は、2007年に交渉開始に合意して以降、2008年7月から3回にわたり会合を開催したものの、2010年1月にGCC側が交渉中断を宣言した。その後、2021年10月にイタリアで開催されたG20サミットの際に韓国とサウジアラビアの間で高官会合が行われ、同FTA締結交渉再開を模索することで意見が一致し、今回の合意に至った。

ヨ・ハング通商交渉本部長は「GCCが脱石油、カーボンニュートラルを推進している中、韓国を最適なパートナーと判断したことに大きな意義がある。特に、水素経済をはじめとする再生可能エネルギーの拡大や国別排出削減目標(NDC)などでも、韓国とGCCの協力(注3)は一層深化するだろう」と評価した。

(注1)サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、オマーン、バーレーンの6カ国の地域協力機構。

(注2)韓国とGCC間の貿易額は466億ドル(2020年)、投資額の累計は165億ドル(2020年時点)。

(注3)GCC諸国との間では、韓国‐サウジビジョン2030委員会の設置や、韓国‐UAE水素経済協力および産業協力MOUの締結などがある。

(当間正明)

(韓国、湾岸協力会議(GCC))

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