トルコの日用品配送のゲティル、国内外で業務拡大

(トルコ)

イスタンブール発

2021年11月30日

トルコの日用品配送プラットフォームのゲティルは11月11日、米国市場に参入したことを発表した。同社の創設者ナーズム・サルル氏は、2021年に計約11億ドルの資金調達を実現し、77億ドル以上の企業評価を得たと強調し、シカゴを皮切りとした米国での事業を300都市に拡大させる意向を明らかにしている。また、サルル氏はトルコではなく、米国での新規株式公開(IPO)を視野に入れ、さらなる国外展開を望んでいる。

ゲティルは、トルコ国内2番目のユニコーン(2021年4月1日記事参照)として、ロンドンを皮切りにアムステルダム、パリ、バルセロナなどに進出しており、国内外での評価は高い。2021年7月にスペインの同業スタートアップであるブロック(Blok)を買収した同社は、11月には英国ウィージー(weezy)の買収を発表したばかりだ。新型コロナウイルス禍で店舗での買い物を控えられ、宅配需要が高まる中、多くのスタートアップがマーケット獲得にしのぎを削っている。ゲティルはこうした買収により、取り扱い製品の拡大とサービス範囲を広げている。

トルコ国内でも、同社は11月に入って、ユルドゥズ・ホールディング傘下のディスカウント・スーパーマーケットチェーンの「ショク(Şok Marketler)」の拘束力のない株式購入契約に署名。さらに、Eコマース・プラットフォーム大手「n11.com」の株式取得を競争当局に申請するなど、事業を拡大させている。

(中島敏博、友田椋子)

(トルコ)

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