物流の混雑が続くハンブルグ港とフランクフルト空港

(ドイツ)

ベルリン発

2021年11月18日

新型コロナウイルスの感染拡大以降、世界的な物流の混乱が生じており、輸送費も高騰している。ドイツの主要港であるハンブルグ港や主要空港のフランクフルト空港もその影響を受けている。ドイツにおける物流の状況について、海上と陸上のフォワーディングサービスを提供する、商船三井ロジスティクスグループのMOLドールワールドワイドロジスティクス(MOL Döhle Worldwide Logistics )に話を聞いた(11月16日現在の情報)。

(問)ハンブルグ港のターミナル混雑状況は。 

(答)2021年2月から、ターミナルの実入り輸出コンテナ搬入制限(本船到着48時間以内)が設定されているため、本船の遅延が生じると、本船到着に合わせて当該コンテナのターミナル搬入の再手配が必要となっている。 

(問)本船のブッキング状況は。 

(答)大口貨物(FCL)、混載貨物(LCL)ともに、比較的希望どおりの本船スケジュールでのブッキング手配が可能な状況(各船会社、貨物ボリュームにより違いあり)。ただし10月末以降は、クリスマスシーズンの影響により、本船および欧州内配送トラックのブッキングがしにくくなる時期となるため、早めの手配が必要となる。  

(問)本船運航スケジュールに遅延は生じているか。 

(答)港の混雑により入港する船が沖で順番待ちとなるバース混みや、悪天候などの航海中の遅延の影響により、全航路で本来の本船到着・出港スケジュールから大幅な遅延が発生している。シンガポール、釜山、中国主要港などのアジアハブ港でも、バース混みの影響により、トランシップ(積み替え、T/S)スケジュールの大幅な遅延も生じている。このため、急ぎの貨物は、最短配送スケジュール手配(配送先近郊へのダイレクト船便スケジュール、航空手配への変更)をご提案している。 

(問)海上運賃が高騰しているとのことだが、どのような状況か。 

(答)米国、中国でのコンテナの滞留による世界的なコンテナ不足に起因し、海上運賃は大幅に高騰。また仕向け地によって、燃油サーチャージ料のほかに、特殊コンテナに割増料金が付加されるなど、例年に比べ厳しい海上運賃の高騰が見受けられる。 

(問)フランクフルト空港における航空貨物の混雑状況はどうか。 

(答)輸入は、ターミナル混雑に伴い、輸入貨物の取り扱いに影響が出ている。多くのターミナルで、到着後の輸入通関および配送までの遅延が例年に比べ大きい状況。輸出は、エリアごとに濃淡があり、中国や北米などの主要路線は引き続き混雑している。

(中村容子)

(ドイツ)

ビジネス短信 593e8ebe9ea3f704