NRW州、ドイツで初の水素スタートアップハブに約450万ユーロ助成

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2021年11月09日

ドイツ西部ノルトライン・ウェストファーレン(NRW)州は10月29日、将来的な水素経済の構築の加速を目的に、同州エッセン市における水素のスタートアップハブ「H2UB外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」への約450万ユーロの助成を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同ハブには民間企業も出資者として参画しており、プロジェクトの総額としては約900万ユーロとなる。

このプロジェクトでは5年間にわたって、欧州全土で活躍するスタートアップや既存の企業、研究機関、投資家などをつなぐイノベーションクラスターの形成を目指す。H2UBはデジタルとリアルの両方で、革新的なマッチングイベントや特にスタートアップを対象としたアクセラレータープログラム(注)などを提供することにより、これまで研究機関や企業が中心だった水素経済と、有望なスタートアップを結び付ける。同ハブの本社機能はエッセン市に置き、今後、NRW州や他の州にも拠点を設ける予定。

アンドレアス・ピンクバルトNRW州経済イノベーション相は同29日、「スタートアップや既存企業、産業界の提携は持続可能な価値創造や雇用に大きな機会を与える。NRW州が、欧州全土の水素関連のスタートアップの新設や水素エコシステムを推進するハブをドイツで最初に立ち上げた州であることを、喜ばしく思う」と述べた。

なお、NRW州は2020年11月に同州の水素戦略として「水素ロードマップPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表し、2030年までの目標と目標達成のための具体的な手段を示した。同ロードマップでは、重要な措置の1つとして研究・イノベーションの強化を挙げており、その中で水素関連スタートアップの支援についても触れていた。H2UBのネットワークには現在、100社以上の欧州の水素関連スタートアップが参加している。企業や機関、スタートアップの同ネットワークへの新規の参加はオンライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで随時受け付けている。

(注)大手企業などのアクセラレーターがベンチャー企業やスタートアップを支援し、協業や出資を行うこと。

(ベアナデット・マイヤー、作山直樹)

(ドイツ)

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