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米FRB、11月から量的緩和策の縮小開始を決定、毎月150億ドル減額

(米国)

ニューヨーク発

2021年11月05日

米国連邦準備制度理事会(FRB)は11月2、3日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、米国債を月800億ドル、住宅ローン担保証券を月400億ドル購入している現状の量的緩和策について、11月から毎月150億ドルずつ(米国債100億ドル、住宅ローン担保証券50億ドル)減額すること(テーパリング)を決めた。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標0.00~0.25%は現状維持とした(添付資料図参照)。今回の決定も前回同様、11人の委員の全会一致だった。

FOMCの声明文では、物価の現状認識について「物価は主に一時的と予想される要因を反映して上昇している」として、これまで最近の物価上昇を「一時的」としていた表現を「一時的と予想される」に修正し、物価高が想定以上に続いている認識を示唆した。また「(新型コロナウイルスの)パンデミックと経済再開に関連した需給のアンバランスが一部の分野で大幅な物価上昇に寄与している」と指摘した。今後の見通しでは「ワクチン接種の普及と供給制約の改善が引き続き経済活動と雇用の拡大とインフレ低下に寄与すると見込む」として、前回まではなかった供給制約と物価上昇の関係を追記し、今後これらが解消に向かう見通しを示した。

量的緩和策について、11月後半から毎月150億ドルずつ減額するとしていることから、このペースでは2022年6月に量的緩和策縮小が完了する。ただし、声明では「毎月同じペースの減額が適切と判断しているが、経済見通しに変化があれば、調整する用意がある」とし、柔軟な対応を示唆している。

ジェローム・パウエルFRB議長はFOMC終了後の記者会見で「供給制約が想定より長引いている。物価高の要因は(新型コロナウイルスの)パンデミックによって生じた供給制約と需要増のずれ、一様でない経済回復、新型コロナウイルスの継続的な影響が主だ」と述べるとともに、「金融政策では供給制約を和らげることはできない」とその限界を認めた。他方「(新型コロナウイルスの)パンデミックが収まれば、供給制約は解消し、雇用は拡大、物価も現在の高い水準から下がるだろう。2022年第2~第3四半期(4~9月)には物価は下がってくると想定している」とし、具体的な物価高の解消時期にも言及した。また、長引く物価高からFRBがテーパリング終了後早期に利上げするのではないかという市場の憶測を踏まえ、「テーパリング開始決定は政策金利について直接的に何か示唆するものではない。利上げに当たっては満たすべき経済状況について、これまでより厳しい評価で明確に行っていく」「(完全雇用を達成しておらず)まだ利上げの時期ではない」と述べるとともに、「利上げに当たっては、極めて透明性を高くしていく。市場を驚かせたくはない」として、事前の市場との対話を入念に行っていく姿勢を示した。

なお、パウエル議長の任期は2022年2月までとなっており、人事権を持つジョー・バイデン大統領が再任させるかに注目が集まっているが、大統領は訪問先の英国グラスゴーで「(次期議長の指名は)今後早急に行う」と述べた(CNBC11月2日)。

(宮野慶太)

(米国)

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