新型コロナワクチン未接種者にロックダウンを実施

(オーストリア)

ウィーン発

2021年11月17日

新型コロナウイルス感染が拡大する中、オーストリア政府と各州の代表は11月14日に緊急ビデオ会議を実施し、翌15日から、オーバーエスタライヒ州とザルツブルク州に限定していたワクチン未接種者に対するロックダウンを全国に拡大して実施すると発表し、15日から適用した。

同国の1日当たりの新規感染者数は11月に入って日増しに増加しており、10日には過去最多の1万3,364人を記録、それ以降も1万人超の高水準で推移している。政府は11月8日にこれまでの3G規則(ワクチン接種証明書、回復証明、各種検査による陰性証明のいずれかの提示義務付け)の範囲を2G規則(ワクチン接種証明書または回復証明の提示義務付け)に変更し、感染拡大をせき止めようとしたが、効果は上がらず、ワクチン未接種者に対するロックダウンを急きょ実施することとなった。

2G証明を保持していない者(12歳未満の子供と妊婦は対象外)が自宅を離れる場合の目的は、通勤や生活必需品などの購入、行政機関や保健関連施設の訪問、散歩などに限定された。

さらに、ウィーン市は15日から独自の規制を導入し、12~15歳までの青少年に対しては、2G規則が適用される場所で2.5G規則(ワクチン接種証明書、回復証明、PCR検査による陰性証明、のいずれかの提示義務付け)を適用している。また、屋台での飲食も2G規則の対象となり、病院や介護施設への訪問は上限人数を設定した。ウィーン市は19日以降、新たな措置を発表する予定だ。

オーストリアの11月15日時点のワクチン接種率は、2回目の接種完了者が全人口の65.3%、1回目の接種完了者は68.5%となっている。11月1日に職場への3G規則、8日に飲食店などへの2G規則が導入されて以来、1回目の接種者数が増大している。

(田中由美子)

(オーストリア)

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