政府が新型コロナ経口治療薬モルヌピラビルの購入契約締結を公表

(タイ)

バンコク発

2021年11月30日

タイ保健省は11月25日、米国製薬大手メルク・アンド・カンパニーが開発した新型コロナウイルス経口治療薬「モルヌピラビル」の購入契約を同社と締結したと公表した。購入数は5万セット(1セット=40錠)。モルヌピラビル使用は、タイ食品・薬品委員会事務局(FDA)に現在申請中で、重症化を防ぐ目的で使用予定。

契約締結の経緯・条件として、(1)11月9日にモルヌピラビル5万セットの購入について、内閣が上限5億バーツ(約16億5,000万円、1バーツ=約3.3円)の予算承認。(2)タイFDAが承認・登録すれば輸入が可能となる。(3)具体的な薬価に交通費や税金を含める予定。(4)医薬品の購入は、調達管理委員会の規定に従うなどとした。

購入契約締結の調印式での会見で、アヌティン・チャーンウィラクン副首相兼保健相は、次のように述べた。

  • ワクチン接種率を上昇させることにより、新型コロナウイルスに対する免疫力を強化する。
  • 重症度に応じた感染者の治療を行う。無症状の患者に対しては、タイハーブなどを使用して治療。重症化リスクのない患者には、ファビピラビル(アビガン)を使用して治療。高齢者など重症化リスクのある患者については、モルヌピラビルを使用することが有効。

また、同省のギャティブーム・ウォンラジット次官は、モルヌピラビルの有効性は死亡または入院のリスクが50%減少することなど、研究結果をみても明らかと付け加えた。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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