2020年の産業用ロボットの新規設置台数は世界最多、伸び率も過去最高に

(中国)

上海発

2021年11月09日

国際ロボット連盟(IFR)は10月28日、「世界ロボティクスレポート2021」(以下、レポート)を外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます発表した。レポートによると、2020年に世界中の工場で稼働した産業用ロボットは前年比10%増の300万台、新規設置台数は0.5%増の38万4,000台となった。このうち、中国内の工場で稼働した台数は21%増の94万3,223台、新規設置台数は20%増の16万8,400台と双方で大幅に増加した。国・地域別の新規設置台数をみると、中国が圧倒的トップで2位の日本(3万8,700台)を大きく引き離し、また、伸び率も過去最高となった。

2020年に中国で販売された産業用ロボットのうち、中国メーカーのロボットは4万5,000台で全体の27%、外国メーカーのロボット(外国メーカーが中国で生産するものを含む)は12万3,000台の73%をそれぞれ占めた。この割合は過去5年間において大きな変動はなく、中国の産業用ロボット市場では、引き続き外国メーカーが中心的な役割を果たしているといえる。

工業信息化部の辛国斌副部長は9月11日、北京で開催された世界ロボット大会において、同部がロボット産業の発展に関する第14次5カ年(2021~2025年)規画(以下、規画)を策定中とした(「中国証券報」9月13日)。規画では、ロボット産業のイノベーション能力を引き上げ、発展の基礎を確固たるものにし、ハイエンド製品の供給を増やし、応用分野と深度を拡大することを目指していくとした。

また、2015年5月に国務院が発表した、製造強国を目指す「中国製造2025」においても、ロボット産業は10の重点分野の1つになっており、中国産ロボットの生産拡大、関連部品の国産化を打ち出している。

(龐婷婷)

(中国)

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