ミライスト、企業向けインド人材SESサービス開始

(インド、日本)

ニューデリー発

2021年11月18日

インドで日本人が立ち上げたスタートアップのミライストは、海外のIT人材を正規雇用したいと考える日本企業向けに、インド人エンジニアの試行期間を含むSES(システム・エンジニアリング・サービス)を11月1日に開始した。採用前にインド人エンジニアの能力や自社との相性を事前に確かめたいという日本企業の潜在的なニーズを踏まえた。

ミライストが提供するこのサービスは2段階方式だ。まずは、日本企業が将来的に採用したいと考えるIT人材候補をミライストがインド国内で直接雇用し、準委任契約に基づいて3~6カ月間にわたり、リモート形式でSESの提供を行う。同期間は、日本企業がインド人エンジニアとの相性を確かめる期間としても位置付ける。その結果、日本企業が当該エンジニアを正式に採用したいと考えた場合には、日本での直接雇用に切り替える仕組みだ。当該エンジニアは新規雇用契約に基づき、日本での勤務を開始することとなる。

ミライストによると、国内のエンジニア不足で悩む日本企業が、海外のIT人材の採用に関心がありつつも、離職率の高さや文化・言語上の課題を懸念して二の足を踏む場面に数多く直面してきたという。2段階方式を採用することで、日本企業とインド人エンジニアの相互理解がSES期間中に進み、双方が安心して直接雇用契約を結べる環境が整うことを目指す。同サービスの発表後、同社には既に複数の日本企業から照会が寄せられているという。

画像 サービスのイメージ図(ミライスト提供)

サービスのイメージ図(ミライスト提供)

ミライストは2016年に首都ニューデリー近郊のグルガオンに設立されたスタートアップ。同社は従来、在インド法人への人事労務コンサルティングやエンジニアをはじめとする人材紹介を中心に手掛けてきたが、新型コロナウイルス感染拡大を機に、国境をまたぐサービスの充実化を検討していた。同社は、日本企業向けの事業を行うことを目的に、2021年2月に日本法人としてミライスト・ジャパンを立ち上げている。

(広木拓)

(インド、日本)

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