自動運転配送の米ニューロ、6億ドル調達

(米国)

サンフランシスコ発

2021年11月05日

米国の自動運転技術のニューロ(本社:カリフォルニア州マウンテンビュー)は11月2日、シリーズDでタイガー・グローバル・マネジメントなどから6億ドルの資金を調達したと発表した。これにより、ニューロの総資金調達額は21億ドル、同社の評価額は86億ドルになった(「テッククランチ」11月2日)。また、グーグル・クラウドと5年間の戦略的パートナーシップを締結したことも併せて発表した。

自動運転技術の多くの企業が人を乗せる車両を開発しているが、ニューロは物の輸送に特化し、食料雑貨店大手のクローガーや薬局大手のCVS、ピザ・チェーン大手のドミノピザなどと協業し、自動運転デリバリーを行っている。クローガーとの協業では、2018年にアリゾナ州スコッツデールでパイロットプログラムを行った後、2019年からテキサス州ヒューストンで展開(配達料は購入額にかかわらず5.95ドル)。CVS(2020年6月~)、ドミノピザ(2021年4月~)との協業は、それぞれテキサス州ヒューストンでパイロットプログラムを行っている。

また、2020年4月には、新型コロナウイルス感染が拡大する中、カリフォルニア州サクラメントの仮設病院と同州サンマテオの多目的施設で、水や医療用品などを運ぶ非接触デリバリーを実現した。

ニューロは2020年12月、カリフォルニア州運輸局(DMV)から公道での自動運転車両の商用利用の許可を取得している。同許可をDMVから取得したのはニューロが初めて。

(田中三保子)

(米国)

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