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2022年予算案否決を受けて議会解散、1月に総選挙へ

(ポルトガル)

マドリード発

2021年11月11日

ポルトガルのマルセロ・レベロ・デ・ソウザ大統領は11月4日、2022年予算案の否決を受け、議会(一院制)を解散し、2022年1月30日に総選挙を実施すると発表した。

連立政党間の合意形成が絶望的に

中道左派・社会党(PS)のアントニオ・コスタ首相が提出した予算案は、10月27日に最大野党の社会民主党(PSD)だけでなく、限定的な閣外協力関係にある左派連合(BE)や、共産党(PCP)、エコ・緑の党(PEV)を含むほぼ全ての政党が反対票を投じ、賛成108票、反対117票、棄権5票で否決となった。

与党PSは議会で単独過半数を持っていないことから、これまで左派政党の協力を受けて予算を成立させてきた。しかし今回、BEとPCPは予算案の支持と引き換えに、公的医療や年金制度の大幅な拡充、さらに労働規制強化を要求していた。

具体的には、BEは(1)公的医療制度における医療従事者のフルタイム雇用、民間医療機関での副業禁止とその分の給与補填(ほてん)、(2)年金制度における支給上限額の廃止と定年退職年齢の見直し、(3)労働法制における集団解雇時の補償金額の増額(現行の勤務年数×12日分の給与から、2013年以前の算出基準だった勤務年数×30日分の給与に戻す)や労働者優先、合意有効期間の撤廃、年間有給休暇日数の拡大(現行22日から2013年以前の25日に戻す)などを求めていた。しかし、これらの措置は固定公的支出の増加と、2011~2014年の欧州委員会・欧州中央銀行(ECB)・IMFによるいわゆる「トロイカ支援」と引き換えに実施した労働市場改革の廃止を意味するため、政府はBEとの交渉を拒否。このため、BEは反対に回った。

また、PCPは、労働市場改革の一部撤廃や最低賃金の850ユーロへの引き上げ、公立保育園の無料化、年金受給額の増額、公営住宅の拡充、低所得者を対象とした個人所得税や電力税率の引き下げなどを要求していた。

コスタ政権にとっては、こうした歳出の大幅増加や改革の後退を伴う提案を受け入れることは事実上不可能だった。また、PSDに対しては予算交渉自体を拒否してきたため、予算案は当初から否決の可能性が濃厚とされていた。

最大野党は内紛状態、総選挙の見通しは不透明

総選挙の時期は、クリスマスや新年を考慮して2022年1月30日となった。コスタ首相はこの総選挙で単独過半数獲得を目指す。一方、PSDも11月末に党首選を控え、ルイ・リオ現党首とパウロ・ランジェル候補が激しい戦いを繰り広げて内紛状態となっており、総選挙の見通しは不透明だ。

(小野恵美)

(ポルトガル)

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