IMFがアフリカの2021年経済見通しを発表、成長率は3.7%に上方修正

(アフリカ)

中東アフリカ課

2021年11月15日

IMFは2021年10月21日、「地域経済見通し(サブサハラ・アフリカ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表し、サブサハラ・アフリカ地域(以下、アフリカ)の2021年と2022年の実質GDP成長率の見通しを、それぞれ3.7%、3.8%とした(添付資料表参照)。2021年4月の予測から、2021年は0.3ポイントの上方修正、2022年は0.2ポイントの下方修正になった。

IMFは、アフリカ経済が金属や食品価格の上昇などによって、2020年のマイナス成長(マイナス1.7%)から回復すると見込んでいるものの、回復ペースは他地域と比べて遅れている、と指摘する。その主な要因として、新型コロナウイルスワクチンの接種率(1回目)が4.5%と世界で最も低いことを挙げた上で、2021年7月前後の第3波では、各国が大幅なマイナス成長に陥るなど、現状、アフリカ経済は新型コロナウイルス感染の波に左右されやすいとしている。そこで、少なくとも2021年中にアフリカの全ての国の人口の40%に、2022年前半までには70%にワクチンを供給することが課題だとしている。

IMFは、アフリカ域内においても、資源集約度や観光依存度のほか、社会不安や紛争によって、回復ペースに差があることを指摘する。2021年の主要国の成長率をみると、南アフリカ共和国が5.0%、ケニアが5.6%、コートジボワールが6%と高成長が見込まれる一方、ナイジェリアやエチオピアはそれぞれ2.6%、2.0%の低成長、また、アンゴラはマイナス0.7%とマイナス成長が予測されている。

その他、2021年のアフリカの消費者物価(年平均)は10.7%と、2020年の10.3%に続き、2桁台の水準とされる。特に、ナイジェリアが16.9%、エチオピアが25.2%と高い上昇率となる見込み。経常収支(GDP比)は、アフリカ全体でマイナス2.2%、中でもモザンビークはマイナス34%の見通しだ。その一方で、南アとアンゴラはそれぞれ2.9%、7.3%と、2020年に続きプラスが予測される。対外債務(GDP比)は、アフリカ全体で26.0%だが、ナイジェリアが8.3%とアフリカで唯一の1桁と見込まれている。

(梶原大夢)

(アフリカ)

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