フランス電力大手エンジー、ペルー最大の風力発電所の建設を発表

(ペルー)

リマ発

2021年10月18日

フランスの電力大手エンジーのペルー法人、エンジー・エネルヒア・ペルー〔ENGIE ENERGÍA PERÚ(EEP)〕は南部イカ州にペルー最大の風力発電所となるプンタ・ロミータス風力発電所(Central Eólica de Punta Lomitas)の建設を開始すると発表した。推定投資額は3億ドルに上り、沿岸部に設置される62機の風力タービン(本体高さ90メートル、ブレード長さ70メートル級)を通じて260メガワット(MW)の電力を全国相互連結電気系統(SEIN)に供給する。EEPとエネルギー鉱山省(MINEM)との間でコンセッション(運営委託)契約が締結される(注)。EEPによると、本発電所で発電された電力のうち150 MWは南部モケグア州で建設が進められているケジャベコ銅鉱山(アングロアメリカン・三菱商事共同出資)に2029年以降8年間供給される予定という。

ペルーでは、2008年の議会令第1002号に基づき、再生可能エネルギーの活用推進が行われており、それに基づき現在MINEMは、2030年までに電源構成における再生可能エネルギーの割合を15%まで増やすことを目指している(2020年の実績は5.9%)。なお、風力発電能力については、電力各社でつくる全国電力網運用委員会(COES)によると、2021年8月時点で全国に7カ所の発電所があり、全体の2.5%を占めている。

なお、イタリアのエネル・グリーン・パワー(ENEL GREEN POWER)がまとめた現行プロジェクト(実現可能性調査中のものも含む)ベースでのペルーの風力発電能力は1万2,000MWだ。一方、エネルギー鉱業投資監督庁(OSINERGMIN)のハイメ・メンドーサ長官は、将来的にペルーは7万7,000MWまで発電能力を拡大できる可能性を秘めていると述べている(「ヘスティオン」紙9月6日)。

(注)2021年2月23日付のMINEM決議第041-2021-MINEM/DM号により、両者がココンセッション契約を締結する許可が下りている。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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