ウルグアイ、対中FTAの予備調査実施に向けた作業開始

(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)

ブエノスアイレス発

2021年10月04日

ウルグアイの外務省と経済財務省は9月28日、中国との自由貿易協定(FTA)締結に向けた予備調査(フィージビリティー・スタディー)の実施へ、交渉チームが作業を開始したと発表した。フランシスコ・ブスティージョ外相の右腕と言われる外務省のフェルナンド・ロペス・ファブレガ氏が交渉チームを率い、経済財務省のフアン・ラブラガ氏が代理を務める。近く関係省庁の担当者が加わり、さまざまな官民の関係者への聞き取りを開始する。2021年末までに調査を完了するとしている。

ルイス・ラカジェ・ポウ大統領は9月7日に対中FTA交渉に向けた事前予備調査(プレ・フィージビリティー・スタディー)の実施を発表していた(2021年9月14日記事参照、注)。発表に先立って大統領は、国内全ての政党の代表者を集めて中国と予備調査を行うことについて説明した。中国とのFTA締結の結果は現政権を超えて全てのウルグアイ人に関係することになるからだ。中道右派の与党・国民党と連立政権を組む中道右派のコロラド党執行部は、予備調査の実施は国益にかなうとの声明を発表。同じく連立政権を組む新興右派のカビルド・アビエルト党も支持を表明したが、メルコスール諸国との対話とその理解を得ることに最大の努力を払うことを求めた。中道左派で野党の拡大戦線は、メルコスール諸国との関係を壊してまで中国とのFTAを締結すべきではないとの姿勢だ。

(注)大統領が9月7日に発表した際にはプレ・フィージビリティー・スタディーとの名称を用い、今回の発表ではフィージビリティー・スタディーとしているが、内容は同一。また、予備調査ではあるものの、今回の発表では「交渉チーム」という表現も用いている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)

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