フランス政府、燃料価格高騰を受け給付金支給へ

(フランス)

パリ発

2021年10月26日

フランスのジャン・カステックス首相は10月21日、民放テレビTF1に出演し、税・社会保険料を引いた手取りの月収が2,000ユーロ未満の国民に対し、一律100ユーロの「インフレ給付金」を支給すると発表した。燃料価格の高騰に係る家計負担を軽減するのが狙い。約3,800万人が給付の対象となる。

当初、燃料課税の一部減税や燃料消費への補助金の支給を検討していたが、前者は財政負担が大きく、後者は施行が難しいことなどから、低所得層向けの一律給付金の導入を決めた。

支給は、2021年12月から開始される予定。受給に関わる申請は不要で、給与所得者は事業主を通じて、個人事業者は社会保険料徴収機関(URSSAF)を通じて、失業者はポールアンプロワ(ハローワーク)を通じて支給される。

同措置の財政負担は、2021~2022年に合わせて約38億ユーロに達する見込み。カステックス首相は、38億ユーロのうち10億ユーロはエネルギー製品の値上がりに伴う付加価値税の増収分で賄うとし、財政赤字は2022年の予算法案に定めたGDP比5%の枠内にとどまると説明した。

首相はまた、エネルギー価格の高騰を受けて、2022年4月までの期限付きで導入したガスの規制料金凍結について、冬の需要期を過ぎても天然ガス価格の低下ペースは予想以上に緩やかなものになるとして、2022年中は凍結を継続する意向を示した。

なお、電気料金については、2022年初に改正する規制料金の上昇率を、電気料金に上乗せして徴収する電力最終消費税(TIFCE)の課税水準を調整することで4%に抑える措置を打ち出している(注)。

(注)フランスではエネルギー市場の自由化後も、小口需要家向け電力・ガスの小売価格にはフランス電力およびエンジー(旧GDFスエズ)と契約した場合の規制料金と、その他のエネルギー事業者と契約した場合の市場料金が併存する(ガスの規制料金は2023年6月末で廃止)。電力の規制料金は年に2回、ガスの規制料金は毎月改正される。

(山崎あき)

(フランス)

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