世界のユニコーン企業数は800社超、米国と中国が全体の7割を輩出

(米国)

ニューヨーク発

2021年10月12日

米国調査会社のCBインサイツは9月30日、世界のユニコーン企業(注1)数はこれまでに800社以上(2021年時点で832社)に達したとするとレポートを公表した。これらのスタートアップの企業価値は総額2兆ドル以上に相当し、これまでに調達した資金の総額は4,850億ドルを上回っているという。新型コロナウイルスの影響下でも、世界のスタートアップ企業の資金調達は増加傾向にあり、今後もユニコーン企業は増え続ける見通しだ。

同社によると、世界で最も評価額が高いユニコーン企業は、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を運営する中国の北京字節跳動科技(バイトダンス、企業価値1,400億ドル)で、同社は世界唯一のヘクトコーン企業(注2)だ。次いで、米オンライン決済サービスのストライプ(950億ドル)、米宇宙開発企業のスペースX(740億ドル)、スウェーデンの後払い決済サービスのクラーナ(456億ドル)、オーストラリアのデザイン制作サイト、キャンバ(400億ドル)と続いた(添付資料表参照)。

国別にみると、世界のユニコーン企業数は米国がトップで、全体の50%を占める。次いで、中国(同19%)、インド(5%)、英国(4%)、イスラエル(2%)の順となっており、米国と中国を合わせて全世界の7割のユニコーン企業を輩出している。

別の米調査会社ピッチブックによると、3位のインドではユニコーン企業が近年続出しており、2021年の年初から現在までのスタートアップによる投資額は235億ドルに達している。これは、同国のエコシステムが過去2年間で調達した資金額からほぼ倍増しており、前例のないペースで新たなユニコーンを生み出している。インドに拠点を置くユニコーン企業41社のうち、2021年に輩出された企業は17社で、同国では過去最高となった。直近では、ブルーカラー労働者の求人求職プラットフォーム「アプナ」は、創設わずか2年以内でインドでは最速のユニコーンとなったと報じられている。

また、調査会社エンブローカーが9月に発表した調査では、インドのフィンテック、ナショナル・ストック・エクスチェンジ・オブ・インディアが資金調達で1位(1億3,300万ドル)だった。

(注1)企業評価額が10億ドル以上、かつ設立10年以内の非上場ベンチャー企業の総称。

(注2)企業評価額が1,000億ドルを突破したユニコーン企業。

(樫葉さくら)

(米国)

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