アシックス、医療従事者と工場作業員向けの安全靴をインドで販売開始

(インド、日本)

ニューデリー発

2021年10月05日

アシックス(本社:神戸市)は9月に医療従事者と工場作業員向けの安全靴の販売をインドで開始した。きっかけは、2020年4月以降のインドでの新型コロナウイルス感染拡大だ。同国では従来、医療従事者が病院内で安価なスリッパを履くことが多く、本人がつまずいたり、それによって注射器などの医療品を落としたりするなど、安全な医療行為を行う上でのリスク対策が不十分だった。新型コロナ感染拡大の影響を受けて、医療従事者の安全に対する意識が高まった機会を捉え、同社は医療従事者用靴のオンライン販売に踏み切った。

写真 医療従事者向け靴(アシックス・インディア提供)

医療従事者向け靴(アシックス・インディア提供)

また同時に、工場作業員向けの安全靴の取り扱いも開始した。工場で作業員に支給される安全靴は重く蒸れやすいなど、必ずしも履き心地が良くない実態があった。同社の安全靴の価格は7,000~8,000ルピー(約1万500~1万2,000円、1ルピー=約1.5円)と、従来製品の平均3,000ルピーと比べると高めの価格設定だが、安全性と快適さを兼ねそなえた製品の潜在的なニーズの掘り起こしを図る。

写真 工場作業員向け安全靴(アシックス・インディア提供)

工場作業員向け安全靴(アシックス・インディア提供)

アシックスは2015年にインドに現地法人を設立して以降、これまで一貫してランニングシューズを中心としたスポーツ用品の販路拡大に力を入れてきた。売り上げは順調に伸び、インド国内の店舗数は2021年9月末時点で66店舗、2021年内にさらに7~8店舗を新規開店する予定だ。新型コロナの影響で客足は一時的に鈍ったものの、8月以降は感染拡大前の9割程度の水準にまで回復した。一方で、オンライン販売も好調で、売り上げ全体に占める割合は今や4割近い。今後、安全靴を商品ラインアップに加え、さらに同社ブランドを拡大させたい意向だ。同社はブランドの広告塔となる実地店舗と利便性の高いオンライン販売の両軸で、インド全土への展開を図っている。

(広木拓)

(インド、日本)

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