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米GDP、第3四半期は前期比年率2.0%成長、デルタ株拡大で大きく鈍化

(米国)

ニューヨーク発

2021年10月29日

米国商務省が10月28日に発表した2021年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(速報値)は、前期比年率2.0%となった(添付資料図参照)。市場コンセンサス予想(ダウ・ジョーンズ調べ)の2.8%を下回った。

需要項目別にみると、前期比伸び率(年率)では個人消費1.6%増で、前期の12.0%増から大きく減速した(添付資料表参照)。特に自動車などの耐久財の26.2%減が、その落ち込みに寄与した。設備投資は1.8%増でこちらも前期9.2%増から減速した一方、在庫投資はプラス2.1ポイント(寄与度)と3四半期ぶりにプラスとなっており、サプライチェーンの混乱から商品を積み増そうとする動きがみられる。なお、住宅投資は7.7%減と前期(11.7%減)に続いてマイナスを記録している。輸出入について、輸出は2.5%減とマイナスに転じた一方、輸入は6.1%増と前期(7.1%増)からの鈍化は比較的緩やかだった。政府支出は0.8%増とわずかながらも2期ぶりにプラスに転じた。また、物価については、個人消費支出デフレーターが4.5%増となり、前期(6.1%増)から伸びは緩やかになったものの、引き続き高い値となっている。

2020年第2四半期に第二次大戦後最大の落ち込みを記録して以降、高い成長率で回復してきた米国経済だったが、今回の成長率はそれ以降で最も低いものとなり、デルタ型変異株感染拡大の影響が色濃く反映された結果になった。ただ、今後の見通しについては、明るい材料もみられる。GDPの7割を占める個人消費について、全米小売業協会(NRF)が10月27日に発表した年末商戦期間(11~12月)の小売売上高の見通しでは、前年同期比8.5~10.5%増と過去最高の売上高を予想している。また、連邦準備制度理事会(FRB)によれば、家計の現預金額は9月末で過去最高レベルに達しており、消費の起爆剤となることが期待される。

一方で、懸念されるのはサプライチェーンの混乱だ。バイデン政権は10月13日にロサンゼルス港などの西部主要港を24時間無休で稼働させることなどを決め(2021年10月14日2021年10月28日記事参照)、供給網の強化に取り組もうとしているが、ロサンゼルス港やロングビーチ港のコンテナ船の滞留状況は過去最悪の水準に達しているとされており(ABCニュース2021年10月19日)、今後の商品不足が懸念される。半導体不足が続いているほか、最近のエネルギー価格高騰による原材料や輸送費の上昇も企業のコスト負担になってくるとみられており、サプライチェーンの混乱が消費などにもたらす影響が今後、注目される。

(宮野慶太)

(米国)

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