第2四半期GDP成長率は前年同期比17.9%、厳しい行動制限措置の反動

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年10月04日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は9月21日、2021年第2四半期の実質GDP成長率を発表した。前年同期比で17.9%、前期比(季節調整済み)ではマイナス1.4%だった(添付資料図参照)。前年同期比で大幅なプラスとなったのは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により2020年3月に厳しい行動制限措置が導入され、2020年第2四半期には幅広い産業分野の生産活動が停滞した反動。前期比では、2021年2四半期に発生した感染第2波の影響を受けてマイナスとなった。

産業分野別に前年同期比でみると、16分野のうち農業・牧畜・狩猟・林業を除く15分野がプラスとなった(添付資料表参照)。GDP全体を大きく押し上げたのは製造業と商業・修理業の2分野だ。同様に、需要項目別に前年同期比でみると、民間消費と総固定資本形成がGDP全体を大きく押し上げた。これも2020年第2四半期の厳しい行動制限措置の反動だ。

中央銀行が集計する国内外エコノミストによる8月末時点の2021年の実質GDP成長率見通しは7.4%で、年初の見通し5.5%から1.9ポイント上向いている。11月に行われる国会議員中間選挙に向け、政府は最低賃金の引き上げや中所得者層の個人所得税の軽減、年金の前倒し支給といった弱者対策を矢継ぎ早に導入しており、これらの施策が個人消費の押し上げに寄与するとみられている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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