製薬産業振興へ関係省庁などがワークショップ開催

(セネガル)

アビジャン発

2021年10月15日

セネガル政府は9月20日から10月末までの5週間、首都ダカールで製薬産業の振興に関するワークショップを開催中だ。ワークショップには、保健・社会活動省や経済・計画・協力省、産業開発・中小企業省、その他の関係者らが参加し、製薬産業の振興に必要な改革について議論している。

2035年に新興国入りを目指すセネガル振興計画(PSE、注1)を掲げる政府は、「新型コロナ禍」での経済再生を目的とする「優先行動計画2A(PAP2A)」(注2)を策定している。製薬産業の振興はその一環で、政府は西アフリカ地域の医療拠点ダカール・メディカル・シティ」建設プロジェクトを計画中だ。

ワークショップの開会式に参加したアブドゥ・カリム・フォファナPSEフォローアップ担当相は、2019年の国内の医薬品市場は1,500億セネガル・フラン(約300億円、FCFA、1FCFA=約0.2円)を超える規模に発展し、このうち8割を民間セクターで占め、医薬品の9割が輸入されていることを指摘した。その上で、輸入依存から脱却するには2030年までに国内消費の3割、2035年までに5割を国内で生産しなければならないと述べた。

政府が医薬品産業の育成に向けた取り組みに注力するようになった背景には、国内唯一のメーカーで各種医薬品を供給してきたメディス・セネガルが業績悪化により1月以降操業を停止していることがある。これについて政府は、同社に55億FCFAの出資を決定しており、9月末までの操業再開、国内消費量の50%供給を目指す考えを示した。

(注1)経済改革の加速、若年層の失業問題と雇用創出、農業の近代化・多角化、産業の育成、民間分野の促進などを優先課題とする。

(注2)農業、畜産、養殖、観光・航空旅客、デジタル経済、産業・物流プラットフォーム、製薬産業の振興を優先産業と定める。

(安藤真由美、水野大輔)

(セネガル)

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