デジタルマーケティングの重要性解説、ジェトロがウェビナー開催

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2021年10月28日

ロシアでは、新型コロナウイルス禍を受けて、Eコマースや生活関連のITサービスが急速に発展し、インターネットを通じた消費が拡大傾向にあることから、デジタル技術・サービスを活用したマーケティングの重要性が増している。ジェトロは10月26日、ウェビナーを開催し、ロシアのデジタルマーケティング動向について解説した。

ジェトロ海外調査部欧州ロシアCIS課の戎佑一郎職員は、ロシアのデジタルマーケティング市場の概要を報告。インターネットが国民の8割まで浸透しており、55歳以上でも半数近くが利用している。また、国民の7割がモバイル端末からインターネットを利用しており、購買時のオンライン化、モバイル化が進んでいることから、デジタルマーケティングが重要となる。さらに、ロシアでよく用いられるデジタルマーケティング手法(調査レポート「ロシア・デジタルマーケティング概要」参照)として、SNSを通じた情報発信が注目されているが、その際にはロシア語でのコンテンツ整備が必須となる点に注意が必要だ。

博報堂ロシアの井口禅(ゆずる)社長は、ロシアのデジタルマーケティングの最新動向について解説。動画配信サービスやソーシャルメディア、インフルエンサーマーケティング(注1)の利用状況について紹介したほか、最近注目されている手法として、ライブコマース(注2)や実店舗とオンラインを連携させたオムニチャネルを挙げた。また、企業による活用事例として、デジタル広告予算の効率化や新規顧客開拓、他社の潜在顧客の獲得などでデジタルマーケティングが用いられていると紹介した。ロシアで今後デジタルマーケティングに取り組む際は、まず商材が持つ課題とその対処法をデータから読み取ることが重要だ。もし十分なデータがない場合は、商材を使ったテストマーケティングにデジタル手法を組み込むことで、今後のビジネス展開を考える際に必要な情報を得ることが可能となる。

(注1)SNS上で影響力の強い人物を起用し、商品やブランドの認知拡大を目指すマーケティング手法

(注2)インターネットを通じた動画のライブ配信と商品販売を組み合わせた手法

(戎佑一郎)

(ロシア)

ビジネス短信 7693ffb27deefa3f