新型コロナ水際対策を緩和、高リスクの国・地域指定を7カ国に削減

(英国)

ロンドン発

2021年10月11日

英国政府は10月7日、新型コロナウイルス感染症拡大防止措置に関して、イングランド入国時の水際対策の緩和を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。10月11日午前4時(英国時間)以降、実施される。

高リスク国を大幅減、ワクチン接種証明の対象国・地域も拡大

まず、政府指定宿泊施設での自主隔離などが義務付けられる赤(レッドゾーン、高リスク)の国・地域(注1)について、現在の54カ国・地域から7カ国へと大幅に削減。コロンビア、ドミニカ共和国、エクアドル、ハイチ、パナマ、ペルー、ベネズエラを除き、自宅などでの自主隔離などが認められる赤以外の国・地域へと移行する。

また、赤以外の国・地域から入国する場合(注2)、特定の国・地域のワクチン接種完了者は渡航前検査、入国後8日目以降の検査、10日間の自主隔離を不要とする措置が取られているが、この対象国・地域外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを拡大。ブラジル、ガーナ、香港、インド、パキスタン、南アフリカ共和国、トルコなど含む37カ国・地域の医療当局からアストラゼネカ製、ファイザー製、モデルナ製、ヤンセン製のいずれかのワクチンを所定回数接種した者にも上記の免除措置が適用されることになった。また、国連の接種プログラムの下で所定回数の接種を完了した国連職員についても免除措置を適用する。

スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの自治政府も10月7日、水際対策の変更について声明を発表、イングランドの措置を踏襲するとした。

接種完了者は入国後2日目までの検査についても緩和の予定

英国政府は10月下旬から、赤以外の国・地域からイングランドに渡航するワクチン接種完了者と18歳未満の者につき、引き続き義務付けられる入国後2日目までのPCR検査を、より安価で簡便な迅速抗原検査で代替することを認めるとした。この検査で陽性だった場合は、無料のPCR検査を提供するとしている。加えて政府は10月末までに、迅速抗原検査結果の写真を検査結果の証明として認める予定ともした。

また、外務・英連邦・開発省(FCDO)は10月6日に32カ国・地域、8日に51カ国・地域に対する不要不急の渡航禁止勧告を取り下げると相次いで発表。エリザベス・トラス外相は、今回の変更により、人の移動を容易にし、企業活動や観光などを促進するとした。

(注1)各分類のイングランド渡航時の水際対策については2021年9月21日記事参照

(注2)入国前10日以内に赤(高リスク)の国・地域に滞在していないことが条件。

(山田恭之)

(英国)

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