「データ産業振興および利用促進基本法」を制定、データ産業振興の基盤を構築

(韓国)

ソウル発

2021年10月20日

韓国の科学技術情報通信部は10月12日、「データ産業振興および利用促進に関する基本法」(以下、データ基本法)が国務会議で議決されたと発表した。データ基本法は、将来の成長を牽引するデータ産業の競争力の確保のため、産業育成などを行う上での必要事項を包括的に規定している。

データ基本法の主な内容は以下のとおり(添付資料表参照)。

1.国家レベルでのデータ産業の統括本部の設置

公共・民間部門のデータ政策のとりまとめを担う省庁横断的組織として「国家データ政策委員会」を設置。

2.データ産業の体系的育成の基盤整備

データの取引・分析サービスなどを行うデータ専門企業に申告制を導入し、政府による財政、技術などの支援に加え、関連分野の中小・ベンチャー企業に対する支援体制を整備。

3.データの資産価値・権利保障のための市場構築

データ産業の発展に伴い、データに対する正当な権利を保護することや公正な市場環境の整備のため、データの価値評価、資産保護、紛争調整など(紛争調整委員会の設置)の枠組みを規定。

同部によれば、紛争調整委員会での紛争調整の例として、金融データ関連のA社と通信データ関連のB社は、相互のデータの共同利用を通じ高い付加価値を持つ2次データ(金融と通信の融合データ)を生成したところ、A社はB社の同意を得ることなく、当該2次データを第三者との取引に活用した場合などを想定している。

データ基本法は、今後約6カ月間の下位法令の制定作業を経て、2022年4月をめどに施行される予定。

(当間正明)

(韓国)

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