米石油精製大手フィリップス66と米プラグパワー、水素関連事業で提携

(米国)

ヒューストン発

2021年10月18日

米国石油精製大手フィリップス66(本社:テキサス州ヒューストン)と米国燃料電池システム開発プラグパワー(本社:ニューヨーク州レーサム)は10月13日、低炭素な水素関連ビジネスで協力するための覚書を結んだことを発表した。

覚書は、(1)産業部門での低炭素な水素事業の統合化および大規模化、(2)モビリティ部門での水素燃料供給機会の促進、(3)水素バリューチェーンの構築を支援するための水素関連インフラの構築、において今後の協力を確認するものだ。

今回の提携の一環として、両社は、プラグパワーの水素経済におけるバリューチェーンプロバイダーとしての経験を活用し、フィリップス66の事業内にプラグパワーの技術を展開する手法を模索する。プラグパワーが特に期待するのは、フィリップス66が有する知見・経験だ。大規模なエネルギーインフラの開発者、商用規模の水素製造施設の運営者、さらに米国と欧州における燃料市場で高いプレゼンスを有する事業者として、フィリップス66に期待を寄せる。

フィリップス66は7月28日に、JERAの米国子会社を通じて参画しているニュージャージー州のリンデンガス火力発電事業の事業会社との間で、石油精製所で生産した水素を含むガスの引き取りに関する契約を締結したと発表している(2021年7月30日記事参照)。

プラグパワーの水電解装置ソリューション担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのデービッド・バウ氏は「フィリップス66は、再生可能燃料部門内で費用対効果の高い解決手法を展開しながら、日量1,000トンのグリーン水素を製造するというわれわれの目標達成を助けてくれる」と述べている。

水素関連事業での類似の提携事例として、米国石油大手シェブロンの子会社シェブロンU.S.A.(本社:カリフォルニア州サン・ラモン)は、7月15日に米国エンジンメーカーのカミンズ(本社:インディアナ州コロンバス)と水素関連ビジネスの促進を目的とする戦略的提携のための覚書を締結したことを発表し(2021年7月19日記事参照)、4月21日にはトヨタ・モーター・ノース・アメリカ(本社:テキサス州プレイノ)と水素関連ビジネスの促進を目的とする戦略的提携のための覚書を結んだことを発表している(2021年4月27日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国)

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