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米国がエチオピアのAGOA適格性の見直しを検討へ

(エチオピア、米国)

アディスアベバ発

2021年10月18日

エチオピアは近年、国が造成した工業団地に繊維・縫製産業を誘致し、輸出を伸ばしてきた。米国では、エチオピアをアフリカ成長機会法(AGOA)の対象にしているため、対象製品の輸入関税は免除される。繊維・縫製品は、AGOA対象国が米国向けに輸出する主要品目の1つで、エチオピアも例外ではないが、ティグライ州での衝突をめぐる人権状況の懸念から、米国はAGOAの適格性に疑義を投げかけている。エチオピアでは、米国企業関係者や政府高官が拙速な見直しに反対している。

米国の輸入統計をみると、新型コロナウイルス感染症が流行する前の2019年には、繊維・縫製品(注)がエチオピアからの輸入全体の47%を占めていた(四半期平均)。これらの製品の輸入額はやや減少していたが、2020年第1四半期に、直近5年間の全体で最も高い57%を占めた。同年第2四半期には、エチオピアでも工場が一時操業を停止したことなどもあり、ニット製品、織物製品、靴がいずれも大きく落ち込んだ。「新型コロナ禍」における米国のエチオピアからの関連製品の輸入は、ニット製品が成長軌道に戻っているものの、織物製品の回復は鈍い。靴については、新型コロナ禍以前から減少しており、直近の2021年第1四半期では、10万ドルまで落ち込んでいる(添付資料図参照)。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、需要地のアパレル産業は減退し、生産地も影響を受けている。そうした中で米国は、エチオピア北部のティグライ州紛争をめぐる人権状況などを理由に、エチオピアのAGOA適格性に疑義を唱えるようになっており、2021年内にも適格性の延長可否を判断する見込みだ。当地では、米国商工会議所が「拙速な見直しは、投資家にも多大な悪影響を与える」と記者会見で表明しているほか、首相府のマモ首席通商交渉官が「フォーリンポリシー」誌に寄稿し、「AGOA停止は、女性を中心とした工場労働者など、直接・間接に100万人規模に悪影響を与える」として配慮を求めている。

米国ブルッキングス研究所によれば、エチオピアはAGOAの対象となることで、年間1億ドルほどを米国に輸出している。

(注)ここでは、繊維・縫製品はHSコード61類(ニット製品)、同62類(織物製品)、同64類(靴)の合計。

(関隆夫)

(エチオピア、米国)

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