東京発スタートアップが中国の聴衆にピッチ、高い関心、ジェトロなど開催
(中国、日本)
広州発
2021年10月01日
ジェトロは9月24日、研究・産学連携推進機関である深セン清華大学研究院と共同で、「日本の隠れたチャンピオン・ピッチイベント」と題した日系スタートアップ企業によるオンラインピッチ(注)イベントを開催した。国際都市としての東京の競争力維持・成長のために、東京からグローバルに活躍する多くのスタートアップ企業を創出することを目的とした「X-HUB TOKYO GLOBAL STARTUP ACCELERATOR OUTBOUND PROGRAM」の一環。
ジェトロ広州事務所の清水顕司所長が冒頭、ジェトロの取り組みを紹介。5年ほど前から日本のスタートアップ企業の深セン進出や、競争力を持つ深セン企業の日本進出をサポートし、双方向にイノベーションを促していることに触れた。その上で、日中企業の産業連携を促進することで両国に共通した社会課題の解決に資することができるとの期待を示した。
ピッチセッションでは、省人化と非接触化を実現する技術、高齢化社会における見守り関連プロダクト、サステナブルなエネルギー関連技術など、両国共通の課題解決に寄与する日系スタートアップ企業がそろった。少ないデータで正確な分析が可能な人工知能(AI)を開発するハカルス、物を触ったときの手応え(力覚)を再現するデバイスを開発するアラクノフォース、まぶしくないカラー赤外線眼底カメラを開発するナノルクス、デジタル×エンタメをテーマにオリジナルアニメコンテンツなどを制作するパンダビジョン、植物由来原材料を使用したカーボンバッテリーを開発するピージェーピー・アイ、トイレットペーパーを必要としない新しい温水洗浄便座を開発するウォーターエックス、温かみが感じられる家族型ロボットを開発するグルーヴエックス、オンライン医療セカンドオピニオンサービスを提供するメディフェロー、貿易サプライチェーンのコミュニケーション効率化プラットフォームを開発するゼンポート、AI多言語翻訳ツールを開発するキアラの10社が参加し、ピッチと質疑応答を行った。
ピッチセッションには、中国企業や投資機関などを中心に350人以上がオンライン参加。参加者からは、技術・サービスの特徴や強み、製造コスト、販売状況などに関する質問や、個別商談に関する要望が多く寄せられた。ジェトロは引き続き、清華大学研究院と共同で、潜在パートナー・投資家との個別マッチング、メンターによる1対1メンタリングなどのサポートを提供していく。
(注)ピッチとは、短いプレゼンテーションのことで、イベントで数分間のプレゼンにより自分たちのビジョンを紹介して売り込むことを指す。
(汪涵芷)
(中国、日本)
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