各省・市・自治区において3回目のワクチン接種を開始

(中国)

北京発

2021年10月12日

中国では9月から10月にかけて、各省・市・自治区において3回目の一般向け新型コロナワクチン接種が相次いでスタートしている。

黒龍江省ハルビン市は10月10日、不活化ワクチンの2回接種を完了後、あるいはアデノウイルスベクターワクチンを1回接種した後に満6カ月が経過した18歳以上の人は、3回目接種を受けることができるとの通知を発表した。接種に当たっては、税関・航空勤務など感染リスクの高い人、60歳以上の高齢者などが優先される。また、不活化ワクチンについては原則として2回目に接種したものと同一の種類のワクチンを使用するほか、過去に接種を受けたのと同一の場所で接種するものとしている。このほか、天津市、浙江省、安徽省合肥市、福建省アモイ市、河南省、広西チワン族自治区、湖北省、および広東省や貴州省の一部都市などにおいて、3回目のワクチン接種が開始されている(注1、「健康時報」10月11日)。

新型コロナワクチンの3回目接種については、国家衛生健康委員会が8月27日の記者会見で、(1)航空や税関、隔離施設、医療機関の勤務者など海外からの入国者を介して感染するリスクが高い人、(2)重症化リスクが高い60歳以上の高齢者や免疫機能が比較的低い人、(3)仕事や学業などの理由で感染リスクが高い国や地域に渡航する人、を対象に、ワクチン接種完了後6カ月後以降に接種を認める方針を示していた(注2)。

なお、国家衛生健康委員会によると、9月28日時点のワクチン接種完了者は10億4,787万2,000人となった。中国の感染症専門家は2021年末までには中国のワクチン接種率が80%を上回ると見通している(「環球網」10月5日)。

(注1)3回目接種の対象者の範囲や具体的な接種条件は各省・市・自治区によって異なる。

(注2)国家衛生健康委員会医薬衛生科学技術発展研究センターの鄭忠偉主任は、シノファームやシノバックとともに実施した研究によると、3回目接種後の抗体レベルは6カ月経過時点においても2回接種後の抗体レベルのピーク値より高くなったことを指摘し、3回目接種によってワクチンの予防効果が高まり、免疫も高めることができると説明した。

(小宮昇平)

(中国)

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