9月の乗用車販売は前年同月比4割減、半導体不足の影響続く

(インド)

ベンガルール発

2021年10月25日

インド自動車工業会(SIAM)は10月14日、9月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。国内販売台数は、乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕が前年同月比41.2%減の16万70台、うち一般乗用車は同60.8%減と大きくマイナスに転じた(添付資料表1参照)。一方、2021年度4~9月期の販売台数は、前年同期比57.7%増の138万7,572台と増加した。

SIAMはプレスリリースで、需要回復が見られる一方、半導体不足と原材料価格高騰の影響で、自動車メーカー各社は製造計画を縮小していると指摘。祝祭シーズン(10~12月)による特需を迎えようとする中、一部の人気モデルについては納車待ちの状態だと述べた。

9月単月のメーカー別販売をみると(添付資料表2参照)、主要メーカー12社のうち6社が前年同月比で2桁減となった。首位のマルチ・スズキは57.3%減の6万3,111台、シェアは39.4%となった。韓国の現代は34.2%減の3万3,087台、起亜は22.7%減の1万4,441台だった。日系メーカーでは、トヨタ・キルロスカが14.4%増の9,284台、日産自動車が3.6倍の2,816台と、ともに前年同月比で販売台数を伸ばしたが、ホンダは主要各社と同じく販売が減速し、33.7%減の6,765台となった。なお、フォードは9月9日、インドでの生産終了を発表し、業界に大きな波紋を呼んでいる(2021年9月24日記事参照)。

車種別の販売台数上位は、スズキの「スウィフト」「ワゴンR」「セレリオ」などコンパクトモデル(計2万891台)、同ミニモデルの「アルト」「エスプレッソ」(計1万4,936台)、現代の「オーラ」「i20」「i10」などのコンパクトモデル(計1万3,981台)だった。多目的車(UV)では、スズキの「エルティガ」「S-Cross」(計1万2,837台)、起亜の「セルトス」(9,583台)が売れ筋となった。

2021年ド4~9月期の二輪車販売は651万7,616台で、前年同期比8.9%の増加だったが、9月単月の販売数では前年同月比17.4%の減少となった(添付資料表1、表3参照)。主要部門のオートバイは22.5%減の94万8,161台、スクーターは7.0%減の51万7,239台だった。他方、電動二輪車は2021年度4~9月期の販売が8倍と、シェアは小さいものの販売台数を大きく伸ばした。

乗用車、二輪車、三輪車の9月単月の販売総数は前年同月比19.8%減の171万7,727台だった。4~9月期の販売総数は前年同期比16.7%増の827万2,660台となった。

(倉谷咲輝)

(インド)

ビジネス短信 1316966710762f86